注目キーワード

道工具・資材

肥料代ゼロ! 緑肥作物を利用した地球に優しい農業

緑肥を使い収量を確保する
有機栽培農家

雪印種苗の新製品発表会にて、伊豆陽なたビオファーム主催の米倉賢一さんは、「緑肥作物を活用した環境にやさしい野菜栽培 -生産性の向上とCO2の排出削減を目指して-」という講演を行った。米倉さんは、耕作放棄地で有機栽培を開始して以来、徐々に規模を拡大、現在は51.3aの農地でジャガイモ(春秋)、タマネギ、ナバナ・ニンジン(夏冬)などを緑肥だけで生産している。同氏の緑肥を活用した手法に雪印種苗が注目し、今では同社の顧問となっている。





発表会では、米倉さんの体験談の形式で緑肥を用いた栽培例が多数紹介された。その中での、春ジャガイモの栽培を紹介しよう。

米倉さんは、2009年10月30日、雑草が繁茂し、ゴミが投げ捨てられていた耕作放棄地に”まめ助”という品種の緑肥、ヘアリーベッチを播種。すき込みは翌年3月14日に実施。その時のヘアリーベッチの草高は30~35cm、10a当たりの生草重は5,360kg、乾燥重604kg。茎葉の繊維は柔らかく、”絡みま線”装着ロータリー2回掛けで、全く絡み付くことなく綺麗にすき込みが完了したという。このヘアリーベッチに含まれる肥料成分は、10a当たり窒素25kg、リン酸3kg、カリ24kgであり、有機肥料の施肥なしで、すき込み当日、そのままジャガイモ(キタアカリ)の種イモを植付けたという。


<雑草抑制効果抜群の「まめ助」(写真提供:雪印種苗株式会社)>

翌年以降も同様の手法で栽培を継続したところ、緑肥特有の中長期的な土壌環境改善効果が現れ、収量は2010年は2,500kg/10a、2011年には3,000kg/10aと、増えていったという。



「天候や自然を頼りにするのが農業ですよね? ところが、その農業が、化学肥料を大量消費することで、地球温暖化の一因となっています。そんなことをしなくても、緑肥を適切に使えば収量は確保できます。少しでも多くの方に、緑肥を使った地球に優しい農業を知って、実践してもらいたいのです」(米倉さん)。


<米倉さんが発表した緑肥の栽培例のスライド>

< 123>

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が日本随一の畑作地帯・十勝に上陸!...
  2. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  3. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  4. 被るだけで-10℃!?1ヶ月で完売した「ウルトラライトハット」が今年も発売...
  5. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  6. アザミウマの発生を1/10程度に削減! イチゴ農家を救うLEDの赤い光
  7. 雑草のプロフェッショナルに聞く! 草をマルチにするメリットと留意点
  8. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  9. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  10. 日本初、土壌水分センサーを120個設置! ICTが導くみかん栽培の最先端

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.31|¥0
2024/04/19発行

お詫びと訂正