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「スマート米」に続き「スマート玄米」販売開始! 参加農家も募集

AIやドローンの活用によって減農薬で生産する「スマート米」に続き、新たに「スマート玄米」の販売が開始された。プロジェクトを行う「スマート農業アライアンス」への参加団体は1000件を突破。無償で先端技術を使った生産を試し販売できると、参加農家も増加中だ。

全国で参加者を募り
「スマート米」を生産

高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増大など、問題が山積する日本の農業。そうした問題を一挙に解決する画期的な手段として期待されてきた、AI技術を駆使した未来の農業システム。それがいよいよ、実用レベルにまで到達。農業の現場で、革命が起こりつつある。

「スマート米(写真左)」「スマート玄米(写真右)」

昨年末より販売が開始された、減農薬の安心・安全なお米『スマート米』、そして今年の2月に販売がスタートした『スマート玄米』。これらは、ドローンを用いて生育管理を行い、AIによって病害虫が検知された箇所にだけピンポイントで農薬散布を行う『ピンポイント農薬散布テクノロジー』という、世界初の技術で栽培されたものだ。

ドローンから撮影した画像で、病害虫発生地点を判定。発生地点にドローンが移動してピンポイントで農薬を散布する。(画像提供:株式会社オプティム)

開発を手がけたのは、『楽しく、かっこよく、稼げる農業』の実現を目指し、AI・IoT・ビッグデータプラットフォームを構築する株式会社オプティム。同社ではスマート農業を推進するべく、2017年12月に「スマート農業アライアンス」を設立している。

「スマート農業アライアンス」イメージ(画像提供:株式会社オプティム)

そのプロジェクトのひとつとして、ドローン・AI・IoTを利用した農作物の生産、流通、販売を行う「スマートアグリフードプロジェクト」を立ち上げ、全国で参加農家を募集。そして、特許技術である『ピンポイント農薬散布テクノロジー』を生産者たちに無償で提供。そうして生産された作物すべてを同社が買い取り、Webサイト「スマートアグリフーズ直送便」での販売をはじめとし、流通・販売までをも手がけるという画期的な仕組みだ。

まさに農業革命とも言えるこのプロジェクトのポイントは、大きく3つある。まず、AIやドローンが作業を代替することで、生産者の労力や手間が大幅に軽減されること。2つめに、ピンポイントで農薬散布を行う同テクノロジーなら、畑全面に農薬を散布する従来の農法に比べて農薬使用量を99%カット、その結果、農薬代や生産コストを下げられること。最後に、農薬の大幅な削減によって安心安全な「減農薬」栽培を実現し、消費者にとって魅力的な付加価値を生み出せることだ。

ピンポイント農薬散布テクノロジーで活用されているドローン

代表取締役社長の菅谷俊二さんは、「生産者の所得を増やし、農家の方やこれからの担い手の方々にとって、農業が魅力ある産業になれば」と話す。
「スマート農業アライアンス」への全国の参加団体数は今年の2月で、すでに1000件に到達。農業の未来を明るく導くべく、引き続き参加農家・企業・団体を募集中だ。

DATA

株式会社オプティム
HP:スマート農業アライアンス


photo&text: Yukiko Soda

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