圃場の見回りがラクになる! 農業ワールドでも話題のICTツールって?
2016/10/14
大幅なコスト低減を実現した
農業向けITセンサーが登場
稲作農家の平均年齢が70歳に近づく現在、労働効率の向上は待ったなしだ。そんな今、ニシム電子工業が農家と一緒に開発したのが「MIHARAS」。農業向けITセンサーである。
圃場に設置された多数のセンサー端末で得たデータは、920MHz帯特定小電力無線でデータ収集装置に飛ばされる。データは、そこから3Gネットワークを通じてストレージサービスに飛ばされる。そこで異常が監視されると、ユーザーの携帯電話やPCにアラートが行く仕組みだ。
MIHARASの特徴は、自社開発の低コストセンサーと特定小電力無線採用による大幅なコスト低減を実現した点。またセンサー端末とデータ収集装置との間の無線通信距離5kmを実現。広範囲の監視が可能だ。センサー端末はユーザー自身で設置可能というから驚きだ。ランニングコストの低さと、設置の容易さ。敷居の低さもMIHARASの、もう一つの魅力だ。
HP:ニシム電子工業公式サイト
低コストで「売れる仕組み」ができる?
6次産業化を検討している方、注目!
今年創業さればかりの若い会社であるMISO SOUPは、パネルの他は接客用の机と椅子のみという簡素なブースを展開していた。その訳は、彼らのサービスが「ユーザーの悩みを聞き、解決すること」だからだ。ブースには多くの相談者の姿が見られた。
同社が提供するのは、トータル6次産業化支援サービスである。これまでは商品製造・販売等の悩みはコンサルやアドバイザーに頼るしかなかったが、同社ではユーザーとヒアリングを重ねつつ、製造のアドバイスはもちろん、ECサイト構築・パッケージデザイン・広告運用といったマーケティング、さらには自社でプロセスを運用できる仕組み作りまでを支援してくれる。6次産業化を考えている方は必見の新サービスだ。
HP:MISO SOUP
植物工場のフランチャイズ&
オーナーシップ事業という新展開!
野菜流通業者トレードを源流とするスプレッドが植物工場事業を開始したのは2006年。植物工場に未来があるのか誰も確信が持てなかった時代だ。そんな同社が展示していたのは最先端野菜生産システム『Vegetable Factory(TM)』。
同社が運営している亀岡プラントは単一レタス工場として世界最大級であり、黒字化を実現している。それを大幅にアップデートした工場が来年竣工する。新工場では新しいシステムを導入し、水資源のリサイクル(水使用量が露地栽培の100分の1)、国際標準の食品安全規格レベルの衛生・品質管理体制、栽培工程の自動化と自社開発LED照明によるコスト低減を実現するという。
スプレッドは、この『Vegetable Factory(TM)』をフランチャイズ・オーナーシップという形態により、国内はもとより海外・そして将来は宇宙にまで広げるという壮大な未来を描いている。そんな同社が目指すのは、実は「未来の子どもたちが安心して暮らせる持続可能な社会の実現」。人と環境に優しい同社の植物工場ビジネスは、それに寄与してくれるはずだ。
HP:スプレッド
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都市近郊の果樹農家に朗報!
騒音の無い電動式スピードスプレーヤ
2009年に共立と新ダイワ工業が合併して誕生した「やまびこ」。
今回の展示の目玉は世界初の電動式スピードスプレーヤ「SSEV5021F」。スピードスプレーヤ(SS)のパイオニア「やまびこ」がSSを電動化を実現している。エンジン駆動モデルの頃から定評のある高性能防除機能はそのままに、電動化により環境性能を向上させた。都市近郊の果樹農家には、電動化のメリットは騒音を発生しない点にもある。SSEV5021Fなら、早朝にも作業できるのだ。エンジン駆動車のような暖気運転も不要。
これからの都市近郊果樹農家では、電動式SSが標準となるだろう。価格は432万円(税込)。
HP:やまびこ公式サイト–>
日本最大の農業総合展
『農業ワールド2016』
会場:幕張メッセ
会期:2016年10月12(水)~14(金)
HP:農業ワールド2016公式サイト
Text:Reggy Kawashima