250万アクセス超!全国の農耕地,林野土壌図が無償で
2018/01/09
「全国デジタル土壌図」をご存知だろうか? ウェブで簡単に、全国の土壌の性質や分布がわかるという。その年の農業トピックが分かる、農水省の「2017年農業技術10大ニュース」のひとつとしても選定されたこの土壌図、どんなメリットがあるの?
農耕地と山林を含む
1つの分類基準の土壌図
全国の農地を対象に、土壌の種類や分布がわかる「(旧)農耕地土壌図」は、2010年4月からウェブ配信を行っている。これまでに、250万件を超えるアクセスがあり、営農指導などで広く利用されていた。
しかし、これまでの土壌図は「農耕地」「林野」など利用形態ごとに作成されており、異なる利用形態の土地について、1つの分類基準に基づいた土壌図がほとんどなかったという。
近年、土壌情報の利用場面が環境面に拡大、農耕地以外の土壌図に利用ニーズが高まってきたことを踏まえ、農耕地以外の林野も含めた日本国土全域を網羅した「全国デジタル土壌図」を公開。農耕地のみ対象の改良版「農耕地土壌図」と併せてオープンデータ化、二次利用が可能な形で無償配布している。
図1.全国デジタル土壌図
土地の利用形態にかかわらず、日本全域を網羅している。画面上で目的の場所を選ぶと凡例が表示され、土壌図を拡大表示することにより、全国土を対象とした土壌図(縮尺20万分の1相当)から農耕地土壌図(縮尺5万分の1相当)へと表示が切り替わる。
図2.新しい農耕地土壌図(上図)と旧農耕地土壌図(下図)との比較(北海道根釧地域)
火山灰の影響を受けるこの地域の土壌は、新しい農耕地土壌図では7種類(旧農耕地土壌図では4種類)に分けられており、土壌がリン酸を固定する能力や乾燥のし易さなどの違いを分類情報からよりきめ細かく読み取ることができる。
施肥や水などの農作物の栽培管理に加え、土壌ごとに異なる化学物質(セシウムなど)の動態把握など環境に関する行政施策に貢献することが期待される。
農作物を作るにあたり、土壌の性質を知ることが、機能を最大限に利用することにつながる。ぜひ活用したい。
画像:農研機構
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