注目キーワード

最新技術

農作業記録が進化! クラウド型システムで効率化する5つのこと

自然相手に行う農業は、生育が良かった年と同じ作業をしても、今年も成功するとは限らない。そこで、農作業を記録し、環境データと合わせて将来の生産計画に活用する。そんな農作業記録が今、劇的に進化している。

クラウド型農作業記録システムで
何が効率的に変わる?

生産計画が変わる

たとえば、栽培履歴と環境情報のデータを組み合わせて計画が立てられる。

過去のデータと照らし合わせながら、フォーマットに沿って生産計画を作成。日々の作業カレンダーと連動させることで大幅に手間が省けるほか、どこからでも確認・変更できる。

作業記録が変わる

たとえば、圃場でスマホをタップするだけで作業日誌が完成する。

フィールドマネージャーが作業予定(内容・場所・時間)を登録する。作業者は圃場でスマホアプリを開いて作業を確認。実施したらチェックボタンを押すだけで完了だ!

情報共有が変わる

たとえば、画像や位置情報付きでレポートを共有できる。

問題や発見を仲間と共有する機能もクラウド型だから実現するメリット。ヒヤリ・ハットの共有だけでなく、その対策計画から実施内容まで記録しておくことができる。

GAPの取り組みが変わる

たとえば、チェック項目を順番にクリアすればJGAPに対応できる。

「みどりノート」は一般財団法人日本GAP協会の推奨農場管理システム。順を追って設定すればJGAPに準拠する準備が整うから使いやすさは抜群。

過去の振り返りが変わる

たとえば、作付の実績データ・グラフが一覧表示に。振り返りがしやすい。

ハウス内環境を“見える化”する圃場モニタリングサービス「みどりモニタ」と連携するから、一つの画面で作業を行った効果を現場で確認できる。これは他にない強みだ。

生産状況を分析して
生産改善に繋げられる!

いつ、どこで、誰が、どんな作業をしたのか……。これまで手書きやエクセルを使用して行っていた農作業記録が今、大きく変わろうとしている。農作業記録のIT化=クラウド型農作業記録システムの登場である。農作業に関わる様々な情報を電子データとしてクラウドに残しつつ、見やすい形で表示・従業員同士で共有することができるサービスだ。

「一般的に、作業指示を行う際、エクセルで作成した作業指示書を印刷して渡しているケースが多いと思います。クラウド型農作業記録システムでは、作業指示内容はスマホの画面に表示され、従業員は、その日にやる農作業を都度、現場で確認できるため、指示伝達の行き違いから起こるミスを未然に防ぐことができます」。そう話すのは、クラウド型農作業記録システムのひとつである「みどりノート」開発チームの青柳氏。

「たとえばみどりノートでは、農薬散布の作業において、薬液量を自動計算して従業員に提示できます。計算の手間が省けるだけでなく、作物の安全性に関わる重大なミスを未然に防ぐことができます」(青柳氏)。

農業経験者を含む開発チームが手掛けた「みどりノート」は、現場での使いやすさに特化している。たとえば作業者が使用するスマホアプリでは、搭載機能を実際に必要なものだけに絞って操作性を高め、主にフィールドマネージャーが使用するPC画面では、計画の作成がしやすいことに配慮した。「作付の流れや進捗状況をわかりやすく表示することを重視しました。例えば年間計画の画面では、作付を通しての作業の流れや進捗状況が一目で把握できること、圃場毎の進捗をわかりやすく表示しています。いつ、どの圃場で作業を行うのかを、誰でも把握できます」(同チーム・五十嵐氏)。

みどりノートのPC画面。アイコンや表示色から作業内容や進捗状況が一目で確認できるから、直感的に操作しやすい。

また、GAP対応のしやすさは特筆もの。「みどりノート」は一般財団法人日本GAP協会の推奨農場管理システムに認定されている。記録をもとに一作毎の振り返りができて、そこから改善につなげるための生産計画の作成を支援してくれるのだ。

「さらに進んだ使い方として、作毎の生産状況を分析して生産改善につなげることができます。たとえば、例年よりも気温が高い年は播種の時期を早める判断を行う場合がありますが、みどりノートでは、栽培履歴に加えて環境計測値や生育状況が記録されます。これらのデータを突き合わせながら作毎の生産状況を分析できるため、生育が良かった年の気象条件や作業内容を参考にして、適切な播種時期を判断するといったことも可能になります。継続的に使っていただき、農業生産の改善のために活用していただけたらと思います」(同チーム・立川氏)。

リリース以来、好評を博している「みどりノート」だが、ユーザーの声を反映させるアップデートを行い、更に使いやすく進化を続けて行くという。「クラウド型農作業記録システムを使わなければ勿体ない!」そんな時代なのだ。

たった500円でいろいろできる!

作付計画の作成から作業記録まで、圃場の環境データや圃場マップと連携させながら作成・確認できる。さらには独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)に登録されている農薬・肥料の使用方法や使用時期の確認機能も用意されている。

500円/月(税抜)アカウント1名分
※農業高校・農業大学校向けの「アカデミックライセンス」も用意されている。詳しくはお問い合わせを。

問い合わせ

株式会社セラク
東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア6F
TEL:03-6851-4831


illustration: Tomoyuki Okamoto
text: Reggy Kawashima

『AGRI JOURNAL』vol.8より転載

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  2. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  3. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が日本随一の畑作地帯・十勝に上陸!...
  4. アザミウマの発生を1/10程度に削減! イチゴ農家を救うLEDの赤い光
  5. 日本初、土壌水分センサーを120個設置! ICTが導くみかん栽培の最先端
  6. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  7. 雑草のプロフェッショナルに聞く! 草をマルチにするメリットと留意点
  8. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  9. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  10. ゲノム編集と遺伝子組み換えの違いは? メリットを専門家が解説

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.31|¥0
2024/04/19発行

お詫びと訂正