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一粒のブルーベリーとの運命的な出会い! 養液栽培システムで、未経験から観光農園の夢を実現

世界初のブルーベリー養液栽培「バッグカルチャーシステム」の導入で、ブルーベリー栽培は驚くほど易しくなる。スプレーマム農家からブルーベリー農家へ転身し、悠々自適なブルーベリーライフを送る素敵なご夫婦を取材した。

バッグカルチャーシステム導入で
順調にブルーベリー販売をスタート


IRAGOブルーベリーの代表を務める加藤弘一さんと、園長で妻の加藤久美子さん。

「8年ほど前、妻と2人で名古屋へ出かけた時のことです。喫茶店に入ってケーキセットを注文したところ、生のブルーベリーがトッピングされたタルトが運ばれてきました。このブルーベリーがあまりにもおいしく、感動してしまって。そして『自分も、おいしいブルーベリーをつくってみたい!』と思ったのです」。

こう語るのは、愛知県田原市内で観光農園IRAGOブルーベリーを運営する加藤弘一さんだ。当時の加藤さんは、電照菊の栽培農家。そのため広い圃場をはじめ、栽培に必要な施設や機器は、すでに所有していたという。「基盤がある状態だったので、ブルーベリー農家への転向に向け、即座に具体的な行動を起こしました」。

加藤弘一さんは、電照菊栽培からブルーベリー栽培に切り替えて営農を開始。

ブルーベリー農家に転向するにあたり、加藤さんが目標としたのは、労力が少ない栽培法を導入すること。「年齢を重ねても、無理なく農業を続けたいから」というのが、その理由だ。これを念頭におきつつ、ネット上でさまざまな情報にあたっていた加藤さんの目に留まったのが、オーシャン貿易の「バッグカルチャーシステム」だ。

 


「システムが自動的に施肥や灌水などを行うのが、『バッグカルチャーシステム』の特徴の一つです。水やりと施肥が全自動のため、労力があまりかからず管理が楽な点に大きな魅力を感じました。また、システムを導入してから2年程度でブルーベリーができるので、早期収穫で設備資金の短期回収ができると思いました」。


IRAGOブルーベリーには、約80品種1000本のブルーベリーの木がある。来園者は常時、10種類以上のブルーベリーの食べ比べが楽しめる。

加藤さんは、その後すぐにオーシャン貿易と契約を結び、「バッグカルチャーシステム」を導入。2年後の2017年には、優れた食味のブルーベリーが十分に採れるようになったため、IRAGOブルーベリーをオープンした。また、これとほぼ同時にキッチンカーを用意し、栽培の閑散期にブルーベリーの加工品を販売しはじめた。

「地域のイベントや一般企業のフリースペースで、ブルーベリーを使ったスムージーやジェラートなどを販売しています。ブルーベリーの味わいをしっかりと感じられるスムージーが特に人気で、行列ができることもしばしば。6次産業化商品を展開した結果、閑散期も収益を得られているので、より早く資金を回収できています」。
 


IRAGOブルーベリーのキッチンカー。販売している各種加工品は、久美子さんの手作り。スムージーやジェラートのほか、クレープを販売することも。

また、IRAGOブルーベリーとキッチンカーの運営を始めて以降、加藤さんを取り巻く環境は一変したという。「農園やキッチンカーを利用してくれるお客さんや、地域の商工会のメンバー、イベントの出店者など、さまざまな人とつながりがもてるようになりました。以前よりも仕事内容が充実していますし、毎日が楽しいですね」。

さらに今後は、「名古屋市などの都市に支店を設け、ブルーベリーや加工品を販売したい」と夢を語る加藤さん。「バッグカルチャーシステム」を活用して、短期間でブルーベリー農家へ転向し成功を収めたサクセスストーリーだ。

 

世界初の養液栽培システムが
国内でのブルーベリー栽培を可能に

酸性で排水性と保水性を兼ね備えた土壌でよく育つが、日本ではこのような栽培に適した土壌環境が少なく、栽培しづらい作物のひとつであるブルーベリー。

20数年前、オーシャン貿易株式会社が世界初の養液栽培システム『ブルーベリーバッグカルチャーシステム』を開発したことがきっかけとなり、ブルーベリー栽培が一気に普及。ブルーベリーの認知度が高まったという。

貿易会社による
ブルーベリー栽培システム


オーシャン貿易株式会社 代表取締役会長、米田多智夫さん

養液栽培システム「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」は、1973年に代表取締役会長 米田多智夫氏が設立したオーシャン貿易株式会社が開発した。同社は、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」を信条に、日本初となるタスマニア牛のハラミ輸入に始まり、水産物・青果物の輸入販売・生花の海外生産及び輸入・食品の輸出・果樹の栽培関連事業等、人のやらないことを手掛けている。

北極圏で養殖され、日本最速となる独自の直行便を用い、最高の鮮度でお客様のもとへお届けするブランド鮭「オーロラサーモン」や、ベトナムに設立した現地法人での菊栽培の大型施設園芸など、唯一無二の商品開発力を持つ。

栽培開始から収穫までの期間を
大幅に短縮


「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」の概念図

『ブルーベリーバッグカルチャーシステム』は、水と電気と土地があれば、日本中のどこでも、ブルーベリー栽培ができる画期的なシステム。20数年前、オーシャン貿易株式会社にて特殊な人工培地とブルーベリーの専用肥料を開発。これを機に、農業未経験者でもブルーベリーを栽培可能になったという。

また、同社は、繊細なブルーベリーに合わせて肥料濃度を自由自在に調整でき、自動潅水もできる液肥混入機を開発。さらには、アメリカ・ニュージーランドから最新のブルーベリーの品種を導入した。これらの成果は、日本のブルーベリー業界に大きな影響を与えたという。

従来、ブルーベリーを植えつけてから収穫するまで4~5年かかっていたが、「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」は収穫までの期間を最短1年半までに短縮できることが最大の特徴。そのため栽培の初期費用の早期回収が期待できる。


培地は優れた通気性と保水性を誇る「アクアフォーム」(人工培地)。液肥はチューブを通り、各ポットへ。

最適化された環境で栽培されたブルーベリーは、品種が本来持つ味や特性が最大限引き出される。また、多品種の同時栽培も、ブルーベリー栽培の魅力の一つなのだそう。

ブルーベリーには多様な品種があり、それぞれ味わいなどが異なり、違いも楽しめるのが魅力のようだ。複数の品種を食べ比べ、甘みと酸味のバランスの違いを楽しんだり、500円玉ほどの極大果実を頬張ったりするのも、ブルーベリー栽培の醍醐味といえるという。

アフターフォローが充実しているため、農業が初めての方でも安心して、「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」を利用できる。システムの操作方法や栽培に関する疑問点があった場合、熟知するスタッフが相談に乗ってくれるという。


繊細なため栽培が難しいハイブッシュ系のブルーベリーも、「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」を利用すれば、失敗なく栽培可能。ハイブッシュ系のブルーベリーは、実が大きく食味が良いため、市場で人気。写真はサザンハイブッシュ系の「スプリングハイ」。

 

問い合わせ

オーシャン貿易株式会社 アグリ課
〒604-8134 
京都府京都市中京区六角通烏丸東入堂之前町254 WEST18 4階
TEL:075-255-2400


撮影/山本典義 取材・文/緒方佳子

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