HPやECサイト、つくったまま放置してない? 明日にでもはじめられる広報手段|ゼロからはじめる農家の広報【2】
2026.03.31
農学部卒のフリーランス広報がお届けする、農家のための広報の入門コラム。第2回の今回はつくったまま放置しているHPやECサイト、SNSアカウントがある方は必読!ツールの見直しを中心に、新しくはじめやすい広報手段をくわしく紹介する。
前回記事 ▷名刺にSNS、今あるツールは上手に使えてる? 広報手段の棚卸しをしよう│ゼロからはじめる農家の広報【1】
放置しているHPやECサイト、
SNSを活用しよう!
「つくってから運用していない」「投稿が⚫︎年前で止まっている」……など、HPやECサイト、SNSのお悩みはないだろうか?安価でHPの制作ができたり、ノーコードでECサイトをはじめられたり、簡単にSNSアカウントを立ち上げられたり、はじめるハードルが下がった一方で、運用まで見据えた活用が十分にできていない方も多いだろう。
実際に、筆者も前述のようなお悩みを抱えた媒体の運用を引き継いだ経験がある。そのどれもが、見直しや少しの工夫で将来に役立つ広報の原石になり得ることは言うまでもない。具体的にどのような見直しや工夫をしたのか、例を交えながら紹介していこう。
明日にでもはじめられる!
広報手段をくわしく紹介
具体的な内容に入る前に少しマインド的な話になるが、これから紹介する広報の実務は、なるべくまとまった時間をつくって一気に進めて欲しい。「時間ができたらやろう」「スキマ時間にやろう」と思っていたら、いつまで経っても片付かない仕事として残ってしまいがちだからだ。半日でも良いのでまとまった時間をつくって、これから紹介するポイントを参考に、やりたいことを一気に進めてみていただきたい。
HPやECサイトの見直し
HPやECサイトの見直しは、今の事業の状況に合わせて外への見せ方を整える重要な業務だ。情報が古かったり少なかったりすると、金銭的利益の面では営業の機会損失に、非金銭的利益の面では農家・農業生産法人への信用の損失につながってしまう。チェックポイントを参考に、自社のHPやECサイトを見直してみていただきたい。
★チェックポイント
□営業時間は最新情報になっているか
□問い合わせ先は最新情報になっているか
□栽培品目は最新情報になっているか
□農場/農園、いちご/イチゴ/苺、有機栽培/オーガニックなど、類義語や表記に揺れがないか
□直前のお知らせ投稿から年単位で更新がストップしていないか
□ECサイトの商品ページの説明欄は充実しているか
□高画質・高品質の画像を使用しているか
特に、最後の高画質・高品質の画像については、既視感のあるフリー素材はなるべく使わず、自前で用意するものが好ましい。例えば同じ ”遠くに町を一望できる茶畑” でも、風景や雰囲気が大きく異なる。フリー素材はすぐに入手できて便利だが、農園・農業生産法人に興味をもっていただいている未来のお客さまに向けて、妥協せずに自前で用意する方が信用につながる。

SNSの見直し
筆者が必ず最初に手をつけるSNSの見直しは、アカウント名とプロフィール文だ。
アカウント名については「〇〇農園」「△△農場」のように、農家・農業生産法人の屋号だけでは不十分だ。なぜなら、屋号を知っている関係者や既存のお客さまは検索で見つけることができるが、屋号を知らない新規ユーザーは別のワードで検索するからだ。これでは、不特定多数のユーザーとつながることができるSNSの最大のメリットを活かしきれない。
アカウント名に入れて欲しい検索ワードとはすなわち、「検索意図=なにを知りたいか」に紐づいている。自身のアカウントに訪れる ”新規ユーザーの考え” を想像してみて欲しい。筆者のおすすめは、「屋号+場所+体験/商品/栽培品目」のセットだ。「〇〇農園|福岡のいちご狩り」「〇〇農園|福岡の農産物直売所」「〇〇農園|福岡 有機野菜」などである。
また、この自身のアカウントに訪れる ”新規ユーザーの考え” は、プロフィール文にも反映するとなお良い。ユーザーが欲しい情報をプロフィール上に整えてこそ、日々の投稿が意味を持ちはじめると思う。
プレスリリースの配信
明日にでもはじめられる広報手段として、農家の皆さんにはプレスリリースの配信を提案したい。これは、前に報道関係者から実際に聞いた話だが、メディアの立場からすると、農家・農業生産法人からプレスリリースが配信されてること自体が非常に珍しく、興味を引くきっかけにもなるそうだ。
初めは他社の同類のリリースから構成を学び、プレスリリースの配信に挑戦してみてはいかがだろうか。プレスリリース配信サイトPR TIMESでは、当サービスが保有するメディアリストへ向けて1本3万円(税別)ですぐにでも配信することができる。
店舗を持つ方は要チェック!Googleマップの運用
店舗を持つ方はぜひチェックして欲しいのが、Googleマップの運用である。営業時間の更新や関連サイトの紐付けはもちろん徹底していただきたいが、「最新情報」への投稿もおすすめだ。
Googleマップを開くと一番右端のタブにある「最新情報」は、投稿すると赤色のマークがつくため目に入りやすい。お出かけ先として高いモチベーションで見てくれている未来のお客さまに対して、Googleマップを活用しない手はない。
(あるピザ屋はランチでおすすめのセットメニューを紹介)
日頃の写真&動画撮影の習慣化
「HPを作りたいけど写真がない」「とつぜんの取材でメディアに渡せる写真がない」「SNS用の写真がない」……これらのお悩みも、広報支援をしているとよく聞く相談内容だ。そして、必要な時に限って短納期であることも多い。また、農作物の写真は年に一度しか撮影できない場合もある。写真や動画素材が必要になる前に、日頃からスマートフォンやカメラを使って撮影を習慣化しておこう。商品や一番良い時期の農場などの宣材写真は、プロのカメラマンに依頼して、一式そろえておくと急に必要になっても困らないだろう。

”片手間広報” ならではの
アドバンテージ
広報は時間があればあるほどできることも増える。しかし筆者は、”片手間広報” には広報専任にはないアドバンテージがあると考える。それは、実際に農作物を栽培している本人にしか言語化できない拘りや想いを情報発信にのせることができるからだ。広報が片手間になってもそれをメリットと考えて、本記事を参考にまずは見直しからはじめてみては。
「情報を届けるためのSNS運用」として、投稿の企画や実際の投稿ネタ、投稿画像・動画・文章作成までを網羅的に紹介。お楽しみに!
Profile
福岡こむぎ
農学部/作物学研究室(研究作物:パン用コムギ)を卒業。
食・農業領域専門のコンサルティング会社で農家さんのECサイト運用や自社の広報に従事したのち、集客施設の開業&広報チームの立ち上げに携わる。現在はフリーで活動中。
大学時代には、ミャンマーの農村部に長期滞在して農業の資材屋ビジネスに携わったり北海道で酪農の住み込みバイトをしたり。生命力強め。
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