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再エネ100%は現実になるか。日本政策の盲点とは?

先行くデンマーク 取り残される日本

日本の再エネについて見ると、たとえばバイオマス発電は急速に計画が形になろうとしている一方で、材木不足など国内の資源問題が出てくるでしょう。各バイオマス事業者に聞くと、「燃料となる海外のパームヤシは長期的に契約して安定している」と言いますが、どう考えても不足します。日本のバイオマスは制度設計が悪すぎるのです。

たとえばデンマークは、熱源から電力と熱を生産し供給するコジェネが発達しており、むしろピークアウトしつつあります。バイオマスを使うにしても、バイオガスを天然ガスにグレードアップして使います。また、国内を循環するバイオガスパイプも作ろうとしています。しかも、全電力のうち風力発電のシェアが43%で、しかも圧倒的に安いのです。

デンマークはコジェネを卒業して、あとは風力を高めればいいという状態。一方の日本は、コジェネも地域熱供給もできておらず、2周回遅れくらいの電力政策が展開されています。これは政府方針もさることながら、それを社会に普及させるベースとしての知識と技術レベルの差ですね。日本は再エネ政策が非常に目づまり状態なのです。

 


認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長
飯田哲也氏
自然エネルギー政策の革新と実践で国際的な第一人者。持続可能なエネルギー政策の実現を目的とする、政府や産業界から独立した非営利の環境エネルギー政策研究所所長。Twitter@iidatetsunari


取材・文/大根田康介
※『SOLAR JOURNAL vol.20』より転載

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