岡山県の若手農業者とアパレルメーカーがコラボ! 作業効率を上げるエプロンが誕生
2021/02/25
岡山地方新農業経営者クラブ連絡協議会は、県内アパレルブランドメーカー「Johnbull(ジョンブル)」とコラボレーションした多機能エプロンを開発。2021年1月19日に取組発表会を行った。
農家とアパレルメーカー
共同開発エプロン
新型コロナウイルス感染拡大により、あらゆる業種・業界への影響が続く今。農商工連携によって地域産業を盛り上げようと、今回のコラボレーションが実現した。
以前から地元生産者のあいだでは、「使いやすくてオシャレな作業着が欲しい」という声が上がっていたという。アパレルブランドメーカーと共同開発したエプロンの販売により、農業のイメージアップにも期待が寄せられる。
アパレルブランドメーカー「Johnbull(ジョンブル)」は、ジーンズの聖地として知られる倉敷市児島に本社を置く企業。ジーンズを中心としたカジュアルウェアの製造・販売を行い、デニムの魅力やライフスタイルを発信している。今回は、ジョンブルの新レーベル「makerhood(メーカーフッド)」のアイテムとしてエプロンを開発した。メーカーフッドでは、“モノづくりに携わる人々への共感とリスペクト”をテーマにしたワークウェアを展開している。
作業効率を追求!
3種のワークウェアとは
企画の中心となって取り組んだのは、ブドウ農家の西崎祐也さん、黄ニラ農家の山本浩貴さん、米農家の小野拓馬さんの3人。ジョンブルの開発担当者と打ち合わせを重ね、それぞれの生産過程の作業に適したエプロンを製作した。普段の作業の様子を開発担当者に見てもらいながら、“作業効率を上げるためのワークウェア”を追求。実際の使用感を試しながら改良を重ねた。
西崎祐也さん(ゆうや農園)×ジョンブル コラボエプロン
エプロン価格:12,000円(税抜)
知人から農地を借り受け、2014年からブドウ栽培を始めた西崎さん。タフな環境での作業にも耐えられる、丈夫なブルーデニムの前掛けエプロンを完成させた。
これまで、ブドウの袋掛け作業時には、台に置いた果実袋を取りに行くために行き来する手間があったそうだ。そんな悩みを解消するため、たくさんの果実袋を入れられるマチが広いポケットを採用した。
小物用のポケットも2つあり、ビニールハウスを修理する際の工具を収納するのに便利。収穫時に使うハサミケースを吊り下げるための留め具も左右に付いている。ブドウだけではなく、モモやリンゴなどの果実農家にもおすすめだ。
山本浩貴さん(山本ファーム)×ジョンブル コラボエプロン
ビニールハウスの施工作業時に工具や細かな部品を持ち歩けるよう、エプロンには複数サイズのポケットを付けた。
エプロン価格:14,000円(税抜)
柔らかい食感と甘味が特徴の黄ニラを栽培している山本さん。黄ニラを育てるときには、冬場のみ収穫前の株を覆うビニールハウスを設置する必要がある。
こちらも前掛けタイプではあるが、西崎さんのコラボエプロンとは違い、ブラックデニムを使用。水を使う作業の際にも、色落ちしにくいのが魅力だ。
実際の購入した方からは「重い物をベルトに乗せて運べるのも便利」という声が届いている。
小野拓馬さん(株式会社te to te farm)×ジョンブル コラボエプロン
エプロン価格:19,000円(税抜)
父親の跡を継ぎ、米麦中心の農家を経営する小野さん。多様なシーンで使えるよう、上半身から下半身までを覆う胸当てタイプのエプロンを製作した。
ワークパンツに用いられるようなアースカラーの素材で、オリーブグリーンとベージュの2色を展開。たくさんのポケットを設けており、一番大きなポケットは鎌も入れられるサイズになっている。また、セパレート仕様になっているため、ベストの部分を外せば前掛けエプロンに変身する。
背中にはサイズを微調整できるベルトがあり、男女ともに体格を問わず着用できるのもポイントだ。前掛け部分はナイロン生地で水を弾きやすく、農作業に限らず家事での水仕事にもおすすめ。
question_answer ジョンブル「メーカーフッド」開発担当 越智輝佳さんより
最後に、3種類のエプロンを開発したmakerhoodの担当者である越智輝佳さん(iori products)からのメッセージを紹介する。
『株式会社ジョンブルは、1952年の創業時から作業服を作り続け、1960年代前半からジーンズの製造を行っているメーカーです。近年では、エプロンやユニフォームの企画販売を多数実現させています。今回のコラボでも、西崎さん・山本さん・小野さんの3人の想いに寄り添ったデザインを形にしました。実用的な仕事着として、生活に馴染んでいってもらえたら嬉しいです』。
問い合わせ
コラボエプロンのご購入を希望される方は、下記窓口までお問い合わせください。
※売り切れ次第、販売終了。今後の状況によって追加生産の可能性もあり。
岡山地方新農業経営者連絡協議会事務局(備前広域農業普及指導センター)
岡山県岡山市北区弓之町6-1
086-233-9848(担当者 馬場)
DATA
岡山地方新農業経営者クラブ連絡協議会
岡山市・玉野市・瀬戸内市・吉備中央町の180人以上を超える若手農業者で構成される組織。研修会やプロジェクト活動、交流・ボランティア活動を通じ、農業の仲間づくりや地域農業の担い手育成をしている。
文:齊藤美幸