「高温・乾燥耐性」と「棚持ち性」を向上させる新バイオスティミュラント資材「ロダルゴ」を発表!
2026/01/27
今年もサカタのタネが主催する商談会「サカタフェア」が開催された。ここでは、当日に発表された新バイオスティミュラント資材「ロダルゴ」と、注目の野菜品種をご紹介しよう。
1.新しいバイオスティミュラント資材「ロダルゴ」発売
2.サカタフェアで展示された注目の野菜品種4選
ーミニトマト品種「ロイヤルパッション」
ーハクサイ品種「初美月」
ー一本ネギ「冬扇シオン」
ーダイコン「夏秋自慢」
新しいバイオスティミュラント資材
「ロダルゴ」発売
2026年1月8日(木)、パシフィコ横浜にて、サカタのタネ(以下、同社)が主催する商談会「サカタフェア」が開催された。同社ブース以外にも100を超える資材メーカーの展示ブースが並び、500名以上の来場者が集まった会場は、例年同様に活況を呈していた。

サカタフェアの開催と同じタイミングで、新商品が発表された。その冒頭、同社代表取締役社長の加々美勉さんが登壇した。
「近年の国際情勢の不安定化や異常気象の頻発を背景に、農業を取り巻く環境が大きく変化している。また、スマート農業や環境負荷低減型農業への期待が高まるなか、当社としても新たな潮流に応える商品・技術の提供を進めていく」と方針を示した。
その方針に沿って発表されたのが、新しいバイオスティミュラント(以下、BS)資材、「ロダルゴ」だ。
【ニュースリリース】「サカタのタネ、サステナブルなBS「RODALGO(ロダルゴ)」を発売」

「ロダルゴ」は同社とアリスタライフサイエンスとが共同開発した新しいBS資材。アリスタライフサイエンスはインドに本社を置く農薬大手UPLのグループ会社である。
過去に当サイトでも紹介したように、2024年6月6日、同社とアリスタライフサイエンスは、バイオスティミュラント分野で協業すると同時に、協業第1弾のBS資材として「ギャクシー」を発売した。「ロダルゴ」は両社の協業第2弾のBS資材となる。
「ロダルゴ」の機能は、
・カラギナン由来の多糖類が、作物をコート(保護)し、高温乾燥下での品質保持、棚持ち性向上に寄与する
・他のBS成分は、光合成を活発化させ、収量、食味を向上させる
である。
原料にも注目したい。「ロダルゴ」の原料には、アジア諸国で商業用に養殖された熱帯産海藻である「紅藻類」が使われている。
「ギャクシー」をはじめとする多くの海藻由来BS資材の原料は「アスコフィラム・ノドサム」と呼ばれる「褐藻類」だ。これについて商品説明を担当した同社ソリューション統括部主幹の髙木篤史さんは、
「紅藻類は枯渇する心配がなく、量産可能であり、サステナブルな原料である」と解説した。さらに「紅藻類は機能成分として、肥料成分のカリのほか、カラギナン(硫酸化ガラクトース)、グリシンベタイン、各種ミネラルを含む」と話した。
「ロダルゴ」は、両社による協業第1弾商品である「ギャクシー」と同じプロセスを経て製造されるという。
「ギャクシー」発売の際に開催された発表会では、同社は「UPL独自の製造技術(UPLが一部特許取得済)を活用して、フィルターにより不純物を除去しており、一般的な海藻由来BSに広く含まれている一部のアミノ酸を除去しています。それにより農薬混和時に発生するゲル化沈殿の回避に成功しています」と説明された。

そのため「ロダルゴ」は「ギャクシー」と同じように、農薬や肥料と混合しやすい、また高濃縮でコストパフォーマンスが高い、というメリットを持つ。
さらに髙木さんは「ロダルゴ」と「ギャクシー」の使い分けについて「播種から生育前半期には肥料吸収を改善し成長を促進する『ギャクシー』がオススメ。一方、生育後半期から収穫直前にはコーティングにより高温乾燥などから作物を守り、棚持ち性を向上させる『ロダルゴ』の出番になります」と教えてくれた。
注目の価格は1Lが16,500円(税込)。全国の種苗店、農業資材店、JAなどを通じて営利生産者向けに販売される。

最後に、商品発表会で髙木さんが行ったプレゼンのなかに、農業生産者にとって極めて重要な資料があったので共有したい。
「ロダルゴ」は高温対策BSだが、それは農業生産者が採用できる高温対策の1つである。髙木さんは、複数ある高温対策手法の効果について、その効果の強弱を示すマトリクスを示した。
高温対策BSは正しく使うことで優れた効果を発揮するが、農業生産現場で実施できる高温対策の優先順位として、決して最上位に置くべきものではない。高温耐性品種の採用、遮光・遮熱資材の利用、換気や冷却の実施、そして基本中の基本である土づくり……それら対策を実施したうえで高温対策BSを使うべきだ、と暗示している。
このスライドを高温対策BS発表会で公開する誠実な姿勢があるから、同社は農業生産現場で信頼されるのだ。
サカタフェアで展示された
注目の野菜品種4選
ここからはサカタフェア会場で展示されていた野菜品種のなかから厳選して4点を駆け足でご紹介しよう。
ミニトマト品種「ロイヤルパッション」

ミニトマト品種「ロイヤルパッション」は2025年4月に発売されたばかりの新品種だ。裂果に強く、収量性に優れるうえ、黄化葉巻病(Tomato Yellow Leaf Curl Virus:TYLCV)耐病性を有している。抑制栽培に適した品種だ。
高温環境下での着果性、果実肥大性に優れ、裂果の発生も極めて少ないため、栽培初期から品質のよい青果を収穫できる。草勢はやや強く樹勢(スタミナ)があり、栽培後半まで安定した収量性を発揮できる。
果実は色濃くテリがあり、食味は甘味と酸味のバランスに優れ、果実が軟らかくなってしまう軟化玉の発生も少ないため、出荷時の青果品質はもちろん、流通先での果実の見栄え、棚持ちのよさにも寄与する。
【ニュースリリース】「裂果に強い黄化葉巻病耐病性ミニトマト「ロイヤルパッション」開発」
ハクサイ品種「初美月」

ハクサイ「初美月」(はつみづき)は2025年7月に発売された新品種。耐寒性・在圃性・耐病性に優れ、暖冬でも安定した出荷が可能。べと病・根こぶ病・黄化病・白さび病に耐病性を有する、年内から年明けに収穫が可能な80-85日型の中生品種だ。
暖冬でも過剰肥大せず、綺麗な形状を保つため、出荷箱に入らなくなってしまうリスクを低減できる。厳寒期においても、耐寒性・晩抽性に優れているため、寒さによる葉の傷みが少なく、出荷時の調整作業を軽減できる。(生育状況や栽培環境によるものの)1月中旬頃までの収穫であれば無結束栽培も可能である。
【ニュースリリース】「サカタのタネがハクサイ「初美月」の種子を発売」
一本ネギ「冬扇シオン」(ふゆおうぎしおん)

一本ネギ「冬扇シオン」(ふゆおうぎしおん)は2023年11月に発売された。既に普及しつつあるから、ご存知の方も少なくないはず。低温期の肥大・伸長性に優れ、秀品率の高さがウリだ。
一本ネギは生育期間が長く、冬どり用ネギの生育前半は梅雨から夏に当たる。この期間は湿害発生や高温乾燥が原因となり、欠株が発生しやすい。この欠株は最終的な収穫量に直結するため、欠株のしにくさは生産者にとって重要なポイントだ。「冬扇シオン」は湿害、高温乾燥による欠株が少ないため、冬どり一本ネギの安定生産に寄与する。
【ニュースリリース】「夏越ししやすく強風に強い冬どり用一本ネギ『冬扇シオン』の種子発売」
ダイコン「夏秋自慢」(かしゅうじまん)

最後にご紹介するのは2024年6月に発売されたダイコン品種の「夏秋自慢」(かしゅうじまん)。8月中旬から9月上旬にタネをまく(温暖地の場合)夏ダイコンだ。
夏ダイコンが生育する時期は、内部が黒く変色する黒芯症などの生理障害やコブ症、シミ症、横縞症、萎黄病などの病害が発生しやすく、生産は容易ではない。「夏秋自慢」はこれらの生理障害や病害に強く、従来品種と比較して高い歩留まりが期待できる。また、抽根部がやや短いため、強風などの影響で曲がりにくい。
収穫後の青変症が発症しにくいため、生産者のみならず、流通業者、加工業者の安心にも繋がる。また、ダイコンは収穫、洗浄、運搬の際の衝撃により割れることがあるが、本品種は少ない=衝撃耐性が高い点も、生産者に高く評価されている。写真からも分かるが、形状が安定しており揃いも良い。
【ニュースリリース】「サカタのタネ、高温期の病害などに強いダイコン「夏秋自慢®」開発」
取材・文:川島礼二郎






