完成した家具を「収穫」する!? ユニークで格好良い生産のカタチ
2017/12/20
完成された状態のイスを収穫する―。まるでSF小説のような話を実現させようとしている生産者がイングランドにいる。古くから伝わる技巧と現代の技術を組み合わせて生まれた、新たな生産のあり方にせまる。
木が持つ美しさと力強さ伝わる
無駄を減らした家具作り
FULL GROWNが栽培するのは、イスやランプカバー、テーブルなどの家具だ。木にフレームを当ててまとわりつかせ、接ぎ木や剪定を繰り返しながら育てることで家具を形成する。木を使った家具は、生産過程で多くの無駄が生じてしまう。捨てられてしまう部分を減らして家具を作れないかという思いから、FULL GROWNの取り組みは始まった。
実は、古くから人間はFULL GROWNのような方法で家具を作ってきた。古代ギリシャでは、スツールなどが作られていたそうだ。こういった手法に加えて、代表のガビン・モンローは10年もの間、木の形成や植物を使った工業製品について研究を積み見重ねてきた。
FULL GROWNがつくるランプやイス。同じものは1つとしてない。(FULL GROWN提供)
取り入れたのは最新の研究だけではない。代表のモンローは、家具を育てるという構想を盆栽から思いついたと言う。幼い頃に見た盆栽が、まるでイスのような形をしていたことを彼はずっと覚えていたのだ。家具を栽培するというアイディアは、様々な経験や研究を経て形になった。そして、古くから伝わる方法と新しい技術を組み合わせて生まれた家具が、これからの生産に新しい風を吹かせようとしている。
イスの場合、製作には4年から8年もの時間がかかるという。手間と時間をかけた、まさに唯一無二の家具は、私たちに生命の力強さと美しさを教えてくれる。
FULL GROWNでは、2018年中頃の出荷を目指し、現在プレオーダーを受け付け中。
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