注目キーワード

最新技術

食味・鮮度向上にも繋がる、塩水を活用した新しい環境制御型農業とは

淡水の使用を削減して塩水を活用するソリューションがサウジアラビアから登場した。淡水を使うより食味・鮮度向上にもつながる技術を見ていこう。

メイン画像:©Red Sea Farms

淡水の使用量を削減する
環境制御型農業ソリューション

サウジアラビアのキング・アブドゥッラー科学技術大学(KAUST)から2018年に独立したスタートアップ企業のレッド・シー・ファームズは、塩水を活用した環境制御型農業ソリューションの開発に取り組んでいる。

温室の気化冷却や作物栽培での灌漑の一部に塩水を活用し、淡水の使用量を85〜90%削減できるのが特徴だ。特殊な透明の被覆資材により放射熱を吸収し、温室内のファンは太陽光エネルギーでまかなう仕組みとなっている。

現在、このソリューションを導入したサウジアラビア国内3ヶ所の温室で耐塩性のあるトマトを栽培し、地元の食料品店で販売。淡水で栽培するトマトに比べて味がよく、ビタミンCが豊富で、鮮度をより長く保持できるという。レッド・シー・ファームズでは、2021年6月に1000万ドル(約11億円)を調達した後、8月には600万ドル(約6.6億円)の資金を調達。今後は、世界中の農家にもこのソリューションを積極的に展開していく方針だ。



文:松岡由希子

AGRI JOURNAL vol.21(2021年秋号)より転載

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. ビニールハウスの日射量、復活大作戦! 新開発の洗浄剤&ブラシでサクっと楽々なお掃除を...
  2. 高温障害を抑え収量アップ! 回収・廃棄が不要な、土壌分解される「紙製」マルチとは?...
  3. 喜界町で実践する新しい排水対策。目詰まりしにくい暗渠排水材「ドレインベルト」に迫る...
  4. 水田除草もスマート化! これから活躍が期待できる除草ロボット3選
  5. 【家庭菜園】きゅうり栽培で大事なポイントとは?ベストな肥料や正しい栽培方法を徹底解説!...
  6. 【アプリ製品モニター募集】取材・撮影にご協力いただける生産者さまを募集します!...
  7. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  8. 業界初!60度の急斜面でも草刈り可能な草刈機「ベローン」で安心・安全&ラクな作業へ...
  9. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  10. 【家庭菜園】トマト栽培にベストな肥料とは?おいしいトマトの正しい栽培方法を解説!...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.35|¥0
2025/04/18発行

お詫びと訂正