収穫最適期までの日数が一目でわかる! 岡山県が開発した収穫支援システム「モモとろう」がアワード大賞
2025/12/11
岡山県農林水産総合センターが産学連携で開発した果実とりごろスマートシステム「モモとろう」が、都道府県の先進的なデジタル政策を表彰する全国知事会デジタル・ソリューション・アワードで最優秀の大賞を受賞した。
メイン画像:モモとろうで測定している様子(写真提供 岡山県)
袋掛けを外さず、収穫までの日数が
スマートグラスに表示
果実とりごろスマートシステム「モモとろう」(写真提供 岡山県)
全国知事会のデジタル・ソリューション・アワードは、デジタル社会推進本部の提案を受けて2021年度に創設された。デジタル人材育成の観点から、職員の頑張りにもスポットをあてて評価している。
2025年度は、岡山県農林水産総合センターが産学連携で開発した果実とりごろスマートシステム「モモとろう」が最優秀の大賞を受賞した。
「モモとろう」は、指輪型のセンサーを指先に付け、袋かけされたままの桃に触れることで熟れ具合を測定する。その測定結果からはじき出される収穫までの日数がスマートグラスに表示される。
桃の収穫は最適な時期がわずか2日ほどと短く、見極めが難しいのが課題だ。そのうえ、被せた袋を開けて熟れ具合を確認する作業の負担も大きい。「モモとろう」を使うことで、初心者でも採りごろが分かり、作業時間も25%削減できるという。
生物振動研究所の「果振台」を応用
今後は梨や柿への対応目指す
「モモとろう」は、岡山県農林水産総合センターが生物振動研究所(本社:広島県東広島市)などと連携して開発した。生物振動研究所が独自開発した、切らずに果実硬度を3秒以内に測定できる「果振台」の技術を応用している。「果振台」は、果実に微弱な振動を与えて、切らずに硬度を測定するシステムだ。
「モモとろう」は果振台で測定したデータをスマートグラスに連動させ、スマートグラスで果実を見ると、収穫までの日数が果実に重なって表示されるようにしている。岡山県農林水産総合センターによると、「果振台」は、梨や柿など他の果物にも対応できるという。
DATA
岡山県の政策が全国知事会の「デジタル・ソリューション・アワード大賞」を受賞!
果実とりごろスマートシステム「モモとろう」のお披露目会を開催
取材・文:アグリジャーナル編集部





