無人自動運転がアツい! 「レベル2」のスマート農機が本格販売開始
2018/09/14
農業機械のスマート化は、実際どこまで進んでいるのだろうか? 「自動運転」や「無人化」といったワードが注目されているが、2018年の現状と未来について、本分野研究における第一人者である北海道大学・野口伸教授にお話を伺った。
国家全体が進める
“農業のイノベーション”
農業機械のスマート化の現状と未来の前に、まずは背景を復習しておきましょう。
日本農業に固有の問題として、農業従事者の急減と高齢化があげられます。それに対応するため、農作業の省力化・ 軽労化などが求められています。
そこで、ロボット技術や人工衛星を活用したリモートセンシング技術、それにICTなどの農業への活用が期待されています。
それと共に、法整備や安全性に関するガイドラインの策定といったソフトの対応も進められています。俯瞰的視野に立てば、内閣府直轄の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)課題としても、農業分野が取り上げられています。
これは府省の枠や旧来分野の枠を超えて、科学技術イノベーションを実現するために創設されたプログラムです。農業のスマート化と農林水産物の高付加価値化の技術革新を実現することで、農家に貢献することを目指しています。
農業機械大手4社が
スマート農機を発売
2017年にクボタから「アグリロボトラクタ」が発売されました。有人監視下での無人自動運転作業と、作業者1人で無人機と有人機を使用した2台協調運転作業とが可能な、スマートトラクタです。
クボタからモニター発売されている、レベル2の自動運転トラクタ。
そして2018年には、残る農業機械大手のヤンマー、井関農機、三菱マヒンドラ農機も、スマート農機を発売予定。いよいよ各社の農業ロボット=スマート農機が出揃うわけです。
また鹿児島県と複数の企業が開発した自動茶園管理ロボットが、第7回ものづくり日本大賞で九州経済産業局長賞を受賞して話題とりました。うね幅180cmという茶の植栽規格に着目したのがポイントで、GPS不使用・接触センサー利用により、管理作業のロボット化を実現します。
このように2018年は、魅力的な農業ロボットの商品化と多様化が同時進行していることから、農業ロボット元年と呼ばれています。
そんな2018年ですが、農水省が設置した「スマート農業の実現に向けた研究会」が設定した農業機械の安全性確保の自動化レベル(概要)では、レベル2(次ページ参照)まで実現されています。