トラクターが主役!? 農業イベントで地域活性化へ!
2018/02/27
日本の農業の課題ともいえる「高齢化」と「後継者不足」。これらを解消するため、最近では各地で様々な取り組みが増えているが、今回は北海道のある村で行われていた、トラクターを使った農業イベントについて紹介。農家と地元住民との関わりが生みだす、地域活性ストーリーとは?
農業を地域活性に
役立てるために
北海道十勝(とかち)地方に位置する更別(さらべつ)村は、総面積の70%が耕地という日本でも代表的な農業地帯。農家1戸あたりの経営面積はおよそ50ヘクタールという大規模農業の形態が多く、効率を求めた機械化が盛んだ。
そんな更別村では、機械化農業の強みを活かし、農業用トラクターを使ったイベントを過去15回行っていた。
トラクターがレースで競う!?
スポーツイベントで地域を盛り上げる
更別村の農家のトラクター所有台数は、1戸あたり平均なんと5台! この特徴を活かし行われていたのが「国際トラクターBAMBA」だ。
“トラクター”と”ばん馬”を組み合わせたユニークな本イベントは、畑地150mのコース上で、1.5t~3tのソリを引いてトラクターを走らせ勝敗を競う”トラクターレース”が見どころだ。全国から集まったトラクター、そしてトラクターを愛する農家たちの熱いバトルを観戦できる。
来場者は「メカ馬投票」で優勝するトラクターを予想して楽しめるほか、農機協賛メーカーの販促コーナーも設けられ、生産者とメーカーが交流する場としても活用可能。
2017年7月9日に行われたイベントにおける、トラクターレースの様子。
こうした参加型のイベントで、地域の人たちが楽しめるだけでなく、全国から参加者・観戦客が集まり、自治体の活動を全国へアピールできるチャンスにもなっている。更別村の機械化農業という特性を活かした「国際トラクターBAMBA」は、地方創生を成功させる良いモデルといえるだろう。
2018年以降の開催に関しては、前年に村内の一部の畑でジャガイモの病害虫「ジャガイモシストセンチュウ」の生息を確認したことから、農業を守るため中止という苦渋の判断を下したが、現在新たなイベントを模索中だという。
今後もこうした各地域における活性化へ向けた取り組みから、目が離せない。