積雪による農作物への影響を防止するポイント
2018/03/06
雪解け前後の農作業時に懸念される、作物の発育被害や農作業事故の増加。1年の収穫量を左右する春先の作業は細心の注意を払って行いたいものだが、留意すべきポイントはあるのだろうか。作物別に紹介!
雪による農作物被害を
防ぐには?
冬の積雪により心配なのが、農作物の生育や農作業への影響。雪解けの時期における作物の生理障害と農作業事故を防止するために、気をつけるべきポイントはどこにあるのだろうか。
農林水産省が公表している「農業技術の基本指針(平成29年改定)」「融雪等に伴う農作物等の被害防止技術対策に係る留意事項について(2018年2月23日発表)」の内容を紹介する。
作物別~1年間の収穫量を決める
農作業のポイント
■水稲
融雪が遅れることが見込まれる地域においては、融雪促進剤を活用するなど、本年の気象動向に即した適期移植が図られるよう準備を進め、必要に応じて移植時期の調整を検討する。その際、移植日や苗の老化、安全成熟晩限期(平均気温が12℃未満となり登熟停止すると仮定される時期)に留意が必要。
■麦類
積雪期間が長くなると雪腐病が発生しやすくなるため、融雪促進剤の散布により融雪を促進し、雪腐病の抑制・軽減に努める。
■野菜
育苗床の設置に当たっては、日照、風向等環境条件を十分に考慮するとともに、融雪促進剤の散布を行うほか、融雪が大幅に遅れることが見込まれる地域では除雪を行い、適期育苗に努める。
あまりにも積雪が多い場合は、除雪や融雪促進剤の散布等により融雪を促進するとともに、ほ場内からの排水を図ることにより、湿害の防止に努める。