どんな品種のスイカでも、種ごと食べられるように!? スイカの花粉「TANE FREE」
2023/05/02
持続可能で儲かる農業を実現させるために重要なのが、「生産作物の高付加価値化」。ORECが力を入れているのがスイカの花粉だ。「どんな品種のスイカでも種ごと食べられるようにする」画期的な商品だ。
食べられる白い種&
糖度も高いスイカができる!
農業資材や燃料の価格が上昇を続けるなかでも持続可能で儲かる農業を実現するために、生産作物の高付加価値化はますます重要となる。そんな中でORECが製造・販売に力を入れるのが、「どんな品種のスイカでも種ごと食べられるようにする」という画期的な花粉だ。事業をスタートした2013年当初から製造・販売に携わる命婦さんに教えてもらった。
「TANE FREEは、遺伝子組換えではなく、通常のスイカ花粉のDNAを不活化することでつくられる花粉です。授粉すると種の成長が途中で止まり、種の中身(胚乳)がない、薄くて柔らかい白い種になります。品種や栽培方法を変える必要はありません」。
冷凍保存されたTANE FREEを開封して人工授粉。あとは通常のスイカと同じ栽培で大丈夫!
本来種を成長させるためのエネルギーが実の成長に向かうことで、通常のスイカよりも糖度が高くなるという実験結果も出ており、導入したスイカ生産者からは「食べやすいだけでなく、食味が良くなる」「高級で上品な味わいがする」「他のスイカより断然おいしい」と高い評価を得る。命婦さんは「TANE FREEを使って種ごと食べられる・より美味しいスイカを作ることで、他のスイカとの差別化ができて売上アップにつながると嬉しいです。おいしいものが市場で適正に評価されるような手助けができれば」と展望を話す。
また通常、スイカの花粉の寿命は短く、ハウスの中でもつのはわずか1日。しかしTANE FREEは、真夏の勢いのある花粉のみをマイナス20℃で冷凍保存した商品のため、3~4年経っても80%以上という高い発芽率を保つ。「花粉を採取する用のスイカをできるだけ農薬を使わずに作っていることも、強い花粉づくりにつながっているのでは」と命婦さん。
直前まで冷凍状態を保つため、保冷剤とともにクーラーボックスに入れて圃場へ。解凍不要で開封後すぐに使える。
甘くて美味しいだけでなく、疲労回復や美容にも効果的な栄養素が含まれるとして再注目されているスイカ。そのスイカの魅力をさらに引き出すTANE FREEは、全国種苗小売店や農協やORECウェブショップで販売中だ。
DATA
OREC
TANE FREE(タネフリー)
15mgパック:¥1,320(税込)
30mgパック:¥2,420(税込)
60mgパック:¥4,400(税込)
※1雌花あたりの受粉量の目安は、約0.5mg。30mgパックで約60回の受粉が目安。
PROFILE
株式会社オーレックホールディングス
花粉事業担当
命婦 江里子さん
問い合わせ
AGRI JOURNAL vol.27(2023年春号)より転載
Sponsored by 株式会社オーレックホールディングス