【刈払機試用レポート】幅広いシーンで使える! 軽快な使い心地と安定感のSTIHL「FSA 80」
2025/08/18

軽快な使い心地と安定感のある操作性。独自の樹脂ブレード「PolyCut」で、万一の接触時も安心。体にフィットするハーネスと安定した重心設計で、安全かつ疲れにくい作業を実現する。
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刈払機のオールラウンダー!
[STIHL]のFSA 80 バッテリー刈払機(36V)
今年4月にリリースされた新製品。柔らかい素材のコーティングが施されており、両手でしっかりと握れる両手ハンドルを搭載。また、STIHLが独自開発した樹脂ブレード「PolyCut」、ナイロンコード、2枚刃やチップソーなどの金属ブレードなど豊富なアタッチメントに対応可能。庭の草刈から農地の下草刈りまで、幅広いシーンで活躍するモデルだ。モーターの回転数は低速(レベル1)と高速(レベル2)の2段階より選択可能。バランスよく負荷を分散するフルハーネスも魅力。
DATA
[ 販売価格 ]56,100円(税込) ※PolyCut 18-2別売り(税込3,960円)
[ 本体質量 ]約5.7kg
[ 寸法(長さ×幅×高さ)]両手ハンドル時:1,780 × 700 × 200mm
[ 推奨バッテリー ]STIHL製36Vバッテリー AK 20
[ 連続作動時間 ]1Pバッテリー:50分(AK 20/PolyCut 18-2使用時)
今回の体験者
(写真左)加藤幸蔵さん。以前は農作業の代行を主要事業とする会社を運営しており、毎日のように刈払機を使って草刈りをしていたそう。現在は、知人とともに「株式会社PiiS Road」を運営し、障がいがある方とともにマンションの清掃や除草作業などにあたっている。
(写真中央)繁昌知洋さん。2016年に東京・青梅市で新規就農し、有機農業を開始。「東京都エコ農産物認証」「東京都GAP認証」を保有。農業の魅力を広める活動にも積極的で農業体験やマルシェなどを実施。
(写真右)松田悠花さん。今年4月、繁昌農園の研修生に。独立後は、少量多品目栽培に取り組むのが目標だ。また、今後は食育イベントなども主催したいという。
体にフィットして
作業しやすいですね
「この専用ハーネスに刈払機をつけると、リュックのように刈払機を背負えます。体にしっかりと機械が固定されるので、樹脂ブレードを大きく振りながら草刈りをしている間も、機械がブラブラしませんでした」と、松田さん。「 安定感があるので、1時間程度の草刈りであれば、余裕でこなせちゃいそうです」とも語った。
別売りの樹脂ブレード「PolyCut 18-2」
なお、今回使用したアタッチメントは、独自開発された「PolyCut」だ。これについて松田さんは、「初めて見るタイプの刈刃ですが、『よく切れるな』と思いました。ただ、樹脂でできているので、刈払機がオフになっている間は触れてもケガをする心配がありません。ケガのリスクを減らせるのは魅力ですね」とコメント。
安定性があり
安心して使えます
「足元が安定しない斜面で作業している間も、体のバランスを崩すシーンがありませんでした。バッテリー刈払機の後方にはECモーターとバッテリーがついているので、作業中、機械の後方が重力で下がりがち。ただ本機を専用ハーネスにつけて構えると、重力が前方に分散されるので、後方が下がる感覚がありませんでした。
あと、両手ハンドルの形状もすごくいいですね。体のラインに沿う形状なので、樹脂ブレードを大きく左右に振っても、ハンドルが体に引っかかりませんでした」と、繁昌さん。また、繁昌さんも樹脂ブレードに注目。「ブロック塀など固い場所に当たっても、大きな衝撃が生じないのが樹脂ブレードのメリットの1つ。障害物がある場所でも安心して刈れますね」。
【まとめ】
パワー・バランス・静音性が◎。
作業後の仕上がりもキレイ
繁昌さんいわく、本機のパワーは申し分なく、膝丈までの固すぎない雑草であれば、バサバサと切り倒せるという。また加藤さんは、作業中の機械の重量バランス、パワー、振動や音の少なさについて「いずれも申し分ありません。ストレスなく日常使いできると思います」と語った。3者全員からの注目を集めたのが、樹脂ブレード「PolyCut」。ケガのリスクが抑えられる点を魅力と捉えた。繁昌さんは「PolyCutを使うと雑草が細かく刈り込まれるので、刈った場所がキレイな平面になりますね」ともコメント。
文:緒方よしこ
写真:イワイコオイチ
AGRI JOURNAL vol.36(2025年夏号)より転載