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世界80ヶ国で普及する定番バイオスティミュラントとは? “巨大海藻”由来のBS資材が生育旺盛に効果

バイオスティミュラントという用語が登場する遥か前、南アフリカで誕生し、今から41年前に日本でも発売が開始された「ケルパック66」。今では世界の80を越える国・地域で利用され続けている長寿・定番BS資材へと成長を遂げている。環境ストレスへの対策が求められる今、あらためてその効果と魅力を聞いた。

世界80ヶ国で支持される
海藻由来の定番バイオスティミュラント

右肩上がりの成長を続けているバイオスティミュラント資材のなかで、海藻由来の製品は全体の30~40%を占めている。それ程に人気の海藻由来のバイオスティミュラントのなかにあって、日本発売から41年、バイオスティミュラントという用語が普及する遥か前から発売されている「ケルパック66」は、安定した効果が支持されて、圧倒的な長寿・定番バイオスティミュラント資材として独自の地位を築き上げた。

南アフリカから出荷され、世界の80を越える国・地域で多様な作目に使用されている「ケルパック66」。日本では発売開始から41年目を迎え、長寿・定番バイオスティミュラント資材へと成長を遂げている。

「ケルパック66」は、南アフリカ産の巨大な海藻(褐藻類)、エクロニア・マキシマから抽出したエキスで、生育を旺盛・健全にする効果がある。その副次的効果として、①葉緑素が増え、葉が厚くなるため、光合成能を高めることができる。また、②根量が増えることによる肥料吸収効果の向上、生育の促進、さらには作物が健康に育つことによる収穫物の品質向上をもたらしてくれる。

アミノ酸、ミネラル、ビタミン、多糖類、植物ホルモン(特にオーキシン)など66種類にも及ぶ含有成分の複合作用により、生育を旺盛にし、発根促進や光合成能を増進させる。

しかし、他社からも多くの海藻由来のバイオスティミュラント資材が発売されている今、あえて「ケルパック66」を選ぶ意味はあるのだろうか? 1984年から「ケルパック66」の日本総代理店を務める、ロイヤルインダストリーズ株式会社の山田拓史専務取締役が教えてくれた。

「『ケルパック66』最大の特徴は、原料海藻の持つ効果を最大限に引き出す独自製法にあります。一般的に海藻には、様々なアミノ酸・ミネラル・ビタミン・多糖類・植物ホルモン(特にオーキシン)が含まれており、特に植物ホルモンはバイオスティミュラント資材としての効果の違いに無視できない影響を与えていると見ています。ところが一般的なバイオスティミュラント資材では、熱や化学処理に脆弱な植物ホルモンをはじめとする各種有効成分を出来るだけ損なわないようにまで配慮して製品化しているか、情報が少ないのでわかりません。同じ原料海藻を用いて製品化していても、製法によって効果・効能に差が出ることが研究によってわかっています」。

ケルパック66では、コールド・セルバースト製法によって低温下で圧力をかけて細胞壁を破壊し、有効成分を取り出す。

「そこで「ケルパック66」の製造元は、化学薬品処理や熱処理を行わず、低温下で圧力をかけて細胞壁を破壊して取り出すコールド・セルバースト製法で「ケルパック66」を製品化しています。そのため『ケルパック66』は、原料の海藻が持つ力を最大限発揮するのです」。

また、日本においては、有機JAS規格別表1に適合しており、有機JAS栽培にも使うことができる


決められた業者だけの収穫で
海藻資源の持続性にも配慮

山田さんは、『ケルパック』は海藻資源の持続性にも配慮した製品である、とも語った。原料海藻のエクロニア・マクシマという海藻は1年半で約10mにまで成長するのだが、その生育区域は「海の森」として海洋生物の重要な生息地となっている。この生態系のバランスを守るため、また貴重な資源を枯渇させないため、生育区域を管轄する南アフリカ政府は、海藻の収穫に関してコンセッション方式を採用。決められた業者にだけ収穫権を与え、収穫区画をローテーションすることで、持続可能性を確保している。

「ケルパック66」の原料となる海藻は、南アフリカで生育しているエクロニア・マキシマという海藻(褐藻類)。海洋生物の生育環境と資源保護の観点から、政府当局により厳正に管理されており、ダイバーが手で収穫を行っている。


「ケルパック66」の原料である巨大な海藻・エクロニア・マキシマの茎。茎の直径は平均で7~8cmほど。


果樹、果菜類、水稲など
幅広い作物で効果を実証

またロイヤルインダストリーズでは、「ケルパック66」が世界中で長年使われ続けている事実に甘んじることなく、長年、県試験場や協力生産者と協力して「ケルパック66」の効果を科学的に説明し続けてもいる。その試験対象とされた作物は幅広く、果樹、果菜類、花卉、水稲など多岐に渡る。どんな時に、どうやって使えば良いのか、といった使い方もリーフレットに丁寧に記載されているので、気になった方は是非、同社HPよりご覧いただきたい。

「温暖化の影響もあり、栽培環境は年々過酷になっており、これまでの方法が通じにくくなってきています。『ケルパック66』は、1Lから25Lまでラインナップがあり、例えば5L入りの製品の場合、10a/回あたり原液量換算で572円と、費用対効果が高いバイオスティミュラント資材です。是非、一度試してみてください。適切なタイミングで適量を施用することで、必ず効果を体感していただけるはずです」(山田さん)

「ケルパック66」は、日本において41年にわたる実績を誇るだけでなく、科学的な裏付け、持続可能性への配慮、そして優れた費用対効果も兼ね備えたバイオスティミュラント資材だ。「古くて新しい」……その言葉の通り、時代を超えて選ばれ続ける理由がある。栽培環境が厳しさを増す今こそ、ぜひ一度その力を試してみてほしい。

ケルパック66


アミノ酸、ミネラル、ビタミン、多糖類、植物ホルモン(特にオーキシン)など66種類にも及ぶ含有成分の複合作用により、生育を旺盛にし、発根促進や光合成能を増進させる。低濃度で使用できて経済的。土壌潅水・葉面散布どちらでも使用可能。有機JAS規格別表1適合。

問い合わせ

ロイヤルインダストリーズ株式会社
TEL:03-3489-1408


文:川島礼二郎

Sponsored by ロイヤルインダストリーズ株式会社

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