鈴木農相 4月3日記者会見「米の需要を拡大し、その需要に応じた生産を推進するため、これまでの需要減少を前提とした生産調整に関する規定を廃止」

政府は4月3日、米の「需要に応じた生産」を明記した食糧法の改正案を閣議決定した。鈴木農林水産大臣は閣議後の記者会見で、「米の需要を拡大し、その需要に応じた生産を推進するため、これまでの需要減少を前提とした生産調整に関する規定を廃止する」と述べた。

メイン画像:記者会見する鈴木農相(出典 農林水産省)

鈴木農水大臣
記者会見概要

大臣 本日の閣議におきまして、「重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案」、通称、気候変動等対応品種法案、そして、「種苗法の一部を改正する法律案」、そして、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案」、この3つの法律案が閣議決定されました。
 まず、気候変動等対応品種法案は、温暖化などの気候変動や農業者の減少など、農業をめぐる情勢の変化に対応するため、高温や病害虫に強く、多収などの特徴を有する重要品種の育成と、迅速な生産現場への普及を図るための計画認定制度を創設するものであります。次に、種苗法改正法案は、我が国で育成された新品種につきまして、育成者権の保護強化のため、存続期間を10年延長するとともに、品種登録前の種苗の輸出に関する差止請求制度を創設するなど措置をするものであります。また、食糧法改正法案は、今般の米価高騰の要因及び政府備蓄の売渡しの対応を検証する中で、農林水産省が多様化する流通実態を的確に把握できていなかったことや、政府備蓄の売渡手続に時間を要し、機動性を欠いたということが、そういう課題が明らかになったところであります。
 このような課題に対応いたしまして、米の安定供給を確保するため、外食・中食を含め流通業者の取引実態を幅広く把握するとともに、官民を挙げた備蓄体制を構築し、備蓄米の機動的放出を可能とすることとしたところであります。また、米の需要を拡大し、これに応じた生産を推進するため、従来の米の需要の減少を前提とした生産調整に関する規定を見直すこととしたところであります。3法案、一日も早い成立を目指して尽力をしてまいりたいと思います。 

―食糧法の改正案に関して伺います。需要に応じた生産というのを明記されるかと思いますが、国際情勢の変動などやインバウンドの増減など米の需要予測は困難になることが予想されるかと思います。インバウンドに限らず、不測の事態というのは往々にして起こることかと思いますが、こうした状況への対応はどのように進める方針でしょうか、教えてください。

大臣 この米の需要の変動要因といたしましては、主に日本の人口は予測しておりますので、これはそんなにぶれるものではありません。そして、家計の購入量、そしてもう一つはインバウンド需要、こういった大きく言うとその3つが考えられるというふうに思っております。こうした実情を踏まえまして、より精度の高い需要見通しとするため、昨年9月に示した米の基本指針では、これらを考慮した需要の算定方法に見直しを行ったところであります。さらに、本年3月の食料・農業・農村政策審議会の食糧部会において、こうした算定方法を踏襲しつつ、直近のこれは要するにとう精数量、精米にする数量、これは実数として把握が事業者によってはしっかりできておりますので、そのとう精数量や人口、そして精米歩留り、これらの値を反映させた需要見通しに更新をしたところであります。農林水産省として、引き続き、作付意向など生産量の動向や、またこのインバウンドも含めた需要量の変動、これインバウンドも数値がしっかり把握できますので、そうした傾向なんかもできる限り正確に把握をして、この需給の動向に関する一層精緻な情報の提供に努めていきたいというふうに考えております。 

―食糧法改正案の需要に応じた生産の文言について、私の方からもお聞かせいただきたいと思います。文言を入れた意義について、大臣のお考えをもう一度お聞かせください。いわゆる需要の増減に応じた政策ということになるかと思うのですけれども、いわゆる減反政策で使われていた言葉をもう一度使うということで、一部では生産調整が続き価格を維持するという政策も変わりはないのではないかという指摘もございます。こういう指摘に対してどうお答えいただけるか、ご意見をいただければと思います。

大臣 需要に応じた生産の法定化を今回させていただきますが、まずご理解をいただきたいことは、今回、同時にこの生産調整方針に関する規定は廃止をすることになります。まさにこの生産調整方針に関する規定が米の需要減少、これを要するに主食用の国内需要の減少というのを前提とした上での生産調整ということでありましたから、その規定自体をまず廃止をします。私たちこの需要というのは、輸出や米粉、そして酒米や様々な用途の米というのがありますが、この需要をしっかりと開拓をして、そして輸出促進、生産性向上などに関する施策など、生産の持続的な発展を図る施策を講じることを、これも合わせて法律上位置付けをしますので、皆さんおっしゃるように需要に応じた生産がイコール生産調整なんだということには全くなりませんし、逆に需要は基本的には伸ばしていく、そこに応じた生産を行っていただくと。ただ、それは、様々な用途の米について、これもちろん主食用も含めて、需要をできる限り伸ばすことを政府が全面的に努力をさせていただくということになります。 

DATA

鈴木農水大臣 記者会見概要
鈴木農水大臣記者会見 動画


取材・文:アグリジャーナル編集部

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