植物の免疫力と鉄吸収力を高める! “ビール酵母”がベースのバイオスティミュラントの実力とは
2019/11/27
多くの皆さんが大好きに違いないアサヒビール。その製造工程で生じるビール酵母をベースにしたバイオスティミュラント製品が今、にわかに注目を集めている。ゼロから学ぶバイオスティミュラント基礎講座『セルエナジー』編。
植物の免疫力と
鉄吸収力を高める!
アサヒビールのビール酵母が、整腸薬の『エビオス錠』に形を変えて利用されているのはご存知の通りだ。だが、そのアサヒのビール酵母をベースにしたバイオスティミュラント製品をご存知だろうか。それがここでご紹介する、清和肥料工業が発売する『セルエナジー』だ。
セルエナジー
ビール酵母細胞壁成分を活用した革新的な液肥。
[含有成分]窒素全量:1%、水溶性リン酸:5%、水溶性カリ:5%
農水省登録 生第101445号
ビール酵母が持つ力を活かしたいアサヒグループと、肥料メーカーの清和肥料工業がタッグを組んで開発した商品である。『セルエナジー』の主成分はビール酵母。詳しく言えば、ビール酵母の細胞壁を高温高圧下で分解したものだ。これを与えることで、植物本来の免疫力を高めて成長を促進することができる。
独特なのはそのメカニズムだ。ビール酵母細胞壁の成分が植物病原菌の成分と似ていることから、植物は病気に感染したと勘違いしてしまう。対抗しようと、植物の生理が活性化されるというわけだ。その結果、発根が促され、吸肥力が向上して、光合成が促進される。
また『セルエナジー』は、製造工程で還元力を与えられている。土壌と反応し、土壌の電位を+200mV前後に下げる。すると土壌中に存在している三価鉄が、より植物に吸収されやすい二価鉄に変化する。これら2つの効果により『セルエナジー』は光合成を活発にして、収量増を実現するのだ。
開発元のアサヒバイオサイクルでは、長年ビール酵母を農業に活かす研究を続けており、その効果は同社のみならず、大学・研究機関等で確認している。施設園芸はもちろん、葉物や果樹、水稲にも効果があり、実験結果によると30%程度の増収効果が見込める事例があった。収量増だけでなく、それだけの効率化を実現できると表現しても良いだろう。
光合成が活発になり植物が元気になることで、品質の向上や農薬削減にも寄与する。注目を集め始めたバイオスティミュラント製品『セルエナジー』は、人間の弱った胃腸の働きを整える『エビオス錠』のように、植物の状態を整える定番商品となる可能性を秘めている。
効果の仕組み
ビール酵母細胞壁の成分であるβグルカンは植物病原菌の成分と似ているため、それを与えると病気になったと勘違いし、様々な生理を活性化。植物ホルモン誘導、葉緑素合成などにつながり、発根促進・根活性向上・光合成の促進などにつながっていく。
ビール酵母で生育向上につなげる
ビール酵母による発根促進効果
赤枠が『セルエナジー』を使用している。水稲で行った実験の効果はご覧の通り! 根の張り具合が全く違うことが分かる。日照不足などの悪環境下でも安定した生産が期待できる。
品種:きぬむすめ(島根)、移植:5月28日、処理:6月3日流し込み処理(200ml/10a)、
撮影:7月8日
免疫力アップで品質の向上にも寄与
生育が良くなるから病気が減り、品質向上も見込める。写真はミカン(中晩柑品種)の例。赤枠が『セルエナジー』を使用している。『セルエナジー』を与えることで浮皮を軽減する。
品種:南柑20号、試験地:愛媛県、処理:10月~11月、3回葉面散布処理
問い合わせ
清和肥料工業株式会社 海外事業本部
大阪本社 TEL:06-6203-6811
東京支部 TEL:03-5835-1182
担当/大野
問い合わせの際は、「アグリジャーナルを見た」とお伝え下さい。
Text » Reggy Kawashima
AGRI JOURNAL vol.13より転載
Sponsored by 清和肥料工業株式会社