農業用ハウスの大敵である“影”を減らす! 大小2つの新たな低コスト耐候性ハウス
2021/08/27
圧倒的な低価格と確かな設計技術で、農業用ハウスに革命を起こしたタカミヤが、2021年に大小2つの注目すべき新商品をリリースした。共に施設園芸の大敵である“影”を減らし、採光性を上げるための工夫が凝らされている。
低コスト耐候性ハウス
タカミヤからリリース
仮設機材の開発・製造・販売・レンタルを行うタカミヤが農業に参入したのは2014年。独自の金属加工技術と設計技術とを活かした「低コスト」ながらも「丈夫」な農業用ハウスは、業界に衝撃を与えた。そんなタカミヤが2021 年、注目すべき2つの新製品をリリースした。
『G-Castle NEO48』は主な対象を中小規模の農業生産者として、さらなる高収量を実現できる仕様を目指して開発された。外観は一般的な鉄骨ハウスと変わりないが、その凄さはハウス内に一歩足を踏み入れれば分かる。採光性が高いのだ。撮影日は曇天であったが、ハウス内の明るさは体感的には外部と変わらなかった。それを実現したのは、モデル名に“48”と付与された直径48.6Φの足場鋼管のアーチ材の採用だ。
タカミヤが足場鋼管として大量に使用している本アーチ材は高強度だから、アーチピッチを広くとることができる。アーチによる影を大幅に減少させることで、採光性を高めた。強度が高まったため、奥行柱ピッチと間口柱ピッチを広げることにも成功している。ハウス内の柱を減らせば自ずと、栽培に利用できる面積が向上するうえ、ハウス内の障害物が減るから労働効率も高まる。
高い採光性はアーチ材に適用した直径48.6mm足場鋼管により実現。アーチスパンは1.5m。
もう一つの新製品が『G-Castle PRO1』。日本施設園芸協会が推奨する「日本型大型(1ha)標準モデル」に準じて開発したハウスだ。1haというサイズから分かる通り、家族経営からの脱却=大規模化を目指す農業生産者が主な対象である。
両ハウスで共通するのは、採光性を高めることであるが、これはタカミヤが設計から施工までを担当したハウスで生産者から寄せられた「日影を少なくしたい」との要望を反映したものだという。農業参入から7年、タカミヤの新製品は、高収量を実現してくれる仕様にアップグレードされていた。
屋根の左右両面には大きな天窓を標準装備。環境制御や高温対策にも取り組みやすい。
羽生チャレンジファームで
新ハウスを用いたプロジェクトが始動!
埼玉県羽生市 羽生チャレンジファームに建設中の『G-Castle NEO48』。ここでタカミヤは『羽生愛菜プロジェクト』と名付け、自社設計のハウスにて、ITやIoTの技術を取り入れた、キュウリ・イチゴ・ミニトマトの実証栽培を行う。また、より高機能性な栽培施設の開発にも取り組んでいく。2021年8月には、『G-Castle PRO1』の着工も予定している。
DATA
鉄骨アーチ型ハウス「G-Castle NEO48」
中小規模農家向けハウス。高強度な直径48.6Φ足場鋼管の使用により、一般的なハウスの3倍のアーチスパンを実現し、影を大幅に減少。奥行柱ピッチは4.5m、間口柱ピッチは8m(軒高は3.2~4.0m)。この足場用鋼管をタカミヤは建設機材の事業で大量に仕入れているため、低価格化にも寄与する。
連棟型耐候ハウス「G-Castle PRO1」
日本型大型(1ha)標準モデル。水平梁をトラス構造(三角形につなぎ合わせた構造)で補強し、ハウス全体での強度を確保。これによりアーチピッチの拡大と柱の減少を実現して、高い採光性と高強度、それに低価格を実現している。柱を減らしながら高強度を維持するために、建設現場で培った高い設計能力が駆使されているのも見逃せない。本製品でも、屋根の左右両面に大きな天窓を標準装備。
問い合わせ
株式会社タカミヤ アグリ事業部
TEL:03-3276-3928
写真:都築大輔
文:川島礼二郎
AGRI JOURNAL vol.20(2021年夏号)より転載
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