1400万円の所得増!太陽光発電とのダブルインカム
2016/07/01
2009年に就農し、先代から受け継いだ農地でさまざまなチャレンジを仕掛けている佐藤暁洋さん。 新築した建屋の屋根に設置した約100kWの太陽光発電が、シイタケ農業の利益率アップに大きく貢献しているという。
屋根の上で発電し、
屋根の下でシイタケ菌床を生産
もともとはお茶の機械の営業をしていたという佐藤さんは、35歳の若手農家。実力が評価され、静岡県から青年農業士の認定を受けている。静岡県掛川市で、7年前に水田を転用するかたちでシイタケの菌床栽培をスタートさせた。
「シイタケは単位面積あたりの生産密度が高く、毎日収穫できるので人も雇えます。経営を安定化させようと、始めました」。
狙いが的中し、県内スーパーへの直販が好調に運ぶ中、考え始めたのは次なる展開。県外から購入していた菌床も自分で作れるようになれば、利益率を上げられる。そのために必要なのは、菌床工場だった。
「ちょうどその頃、同業者からFIT(再エネの固定価格買取制度)のことを耳にしました。掛川で太陽光発電の販売・施工をされているMGプランさんに相談すると、ソーラーを搭載した建屋にすれば、建築費の返済を売電収入である程度まかなえることがわかり、思い切って建てることにしたんです」。
周囲は平坦な農地が広がり、日射条件にも恵まれている。農協と静岡銀行から融資を受け、新工場が完成した。
菌床の材料となるコナラのおが粉を袋に詰め、菌を行き渡らせる菌床作り。これまで菌床を年間9万床、1600万円ほどで購入していたものが、800万円の材料費で年間10万床作れるようになった。1万床増えた分、収量は約600万円分アップ。つごう、1400万円の所得増だ。太陽光の方でも、年間537万円の売電収入が得られた。ここから、設置費用のローン返済額年間324万円を差し引いた約200万円を建屋の返済費用などにあてると、持ち出しはわずか約40万円。年間40万円の投資が、年間1400万円のリターンとなっている。
「太陽光発電がなければ、踏み出せていなかったかもしれません」と、にこやかに話す佐藤さん。MGプランと始めた太陽光発電が、本業である農業を飛躍させる格好のジャンプ台になったようだ。
MGプランの渡邉社長と、太陽光発電を設置した菌床工場をバックに。
渡邉社長も、佐藤さんと同じく地元農業の活性化に熱い想いを持つ農家出身。些細な相談にも乗ってもらいながら、2015年に無事、稼働が開始。順調に利益を生み出している。
株式会社MGプラン
静岡県掛川市中5500 TEL:0537-29-6255/FAX:0537-29-6256
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photo: Miho Fujiki text: Aya Asakura