農産物流通もIT化! 補助ロボットの応用開発が急務の課題に?
2019/06/27
農産物流通の分野においてもIT化は進んでいる。しかし懸念点や問題も多い。IT化を前提とした時、今後どのように農業を考えていけばいいのか。中央大学教授の杉浦宣彦氏による、農業のIT化についての連載コラム。
土地データに基づいた
補助ロボット導入の検討を!
農産物流通の分野のIT化が一部の地域から徐々に広がりを見せる。しかし、未だに遅れ気味なのが農地状況や農産物のデータベース構築だ。農業の大規模化や耕作放棄地の増加を防ぐために様々な取り組みが行われ、全国的なデータベースもできた。しかし、集められたデータ内容が今一つで、やる気のある近隣農家や農業法人からも「これでは安心して借りられない」というコメントが出るくらいだ。
また、写真等を使ってどのような状態にあるか具体的にわかる仕組みを追加していく必要もある。複数の県から提供されているデータを見ても、ただ地図的なものがあるだけで、形状がわかりにくいものが多かった。これらのデータベースの質を高めながら、その土地に合うハードを伴ったIT化を進めていくべきだろう。
平坦な田畑であれば確かに無人トラクタでいいのかもしれない、一方で懸念されるのは、ミカンやお茶など傾斜面を利用した栽培が行われている地域の農地だ。そのような農産物で有名な地域のJAからお話を伺ったことがあるが、農家の高齢化・農業人口の減少で、今後の存続が危ぶまれているところも多いそうだ。さらに収穫を行うのは体力的に相当大変で、簡単に機械化はできない。中高年はむろん、若い人でもなかなか厳しいのが現状だ。
人の感覚のような繊細さが必要な部分はともかくとして、小中規模の農地にも応用の効く補助ロボットの応用開発を急ぐべきだ。近い将来、前述のデータベースに「アシストスーツ・収穫のロボット用充電電源あり」などの表示があると、少ない要員での耕作も可能となり、効率よい経営を狙う農業法人の関心を集められるだろう。
PROFILE
中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授
杉浦宣彦
現在、福島などで、農業の6次産業化を進めるために金融機関や現地中小企業、さらにはJAとの連携などの可能性について調査、企業に対しての助言なども行っている。
AGRI JOURNAL vol.11(2019年春号)より転載