バラ・トマト・イチゴ農家が語る 低温CO2施用機『真呼吸』の実力とは
2019/12/09
低温CO2施用機『真呼吸』には本当に効果があるのだろうか? 今回は、トマト、イチゴ、バラを栽培する農家さんにご協力いただき、その効果を検証したのでご紹介しよう。
『真呼吸』は誠和が発売している低温CO2施用機だ。ハウス内気温とほぼ同等のCO2を小径の子ダクトからハウス内へ放出するため、ハウス内が暑くならず、夏場でも稼働できることが一番の特徴。局所施用だから効率が高く、また設置性も高いというメリットがある。詳しくはこちらを参考にしてほしい。
Case1 バラ農家(内田バラ園)
最初にお話を伺ったのは埼玉県川越市の『内田バラ園』。
内田紀雄さんがお母様から経営を引き継いだのは10年前。今では30品種近くを栽培するバラの篤農家として知られる存在となった。施設面積は300坪のハウスが3つで900坪=3,000㎡。お母様と5名のパートさんが働いている。
「自分なりの生産方法を積極的に採用し始めたのは、今から6年ほど前のことです。もちろん親から伝えられた経験に基づく作業は大切にしていますし、それをベースにしていますが、その土台の上に新しい技術を取り入れることで、より良くしてきました。その一環で導入したのが『真呼吸』です。」
バラの下を通る青い管が「真呼吸」の子ダクト。手で掴めるほどの細さだから作業の邪魔にならない。
「もともとCO2施用機は使っていたのですが、夏場になるとパートさんから『暑い、暑い』と苦情が来て困っていました。もちろん私自身も暑くて夏場の作業が辛かった……そのため、夏場はCO2稼働させていませんでした。
そんな時、『真呼吸』のモニターのお話を頂いたので、思い切って導入しました。これで夏場の暑さ問題は解決してしまいました。低温CO2の効果を一発で体感しましたね(笑)
イチゴやトマトとは違って、バラの場合は収量が増えることはないと思っていたのですが、10%も増えました。ただ、ハウスの屋根を磨いたり、植え替えのタイミングを変えていたので、増収の全てが『真呼吸』の効果とは言い切れませんが、効果があるのは明らかです。
夏場に開放していてもCO2濃度は平均して500ppm以上、最高で618ppmに到達したこともあります。これで効かないはずは、ありませんから」
ハウス内環境モニタリング時の画面。黒線がCO2濃度。2019/8/29には618ppmに達している。
当園では何よりも誠実な作業を心掛けています。手にした人が「買わなきゃよかった……」と思うようなバラは育てたくありません。
そこで大切になってくるのが品質です。『真呼吸』を使うことで、より品質の高いバラが増えています。パートさんには厳しい目で選別するようにお願いしていますが、それでも”優”や”良”に選別できるから充分に利益が取れています。
これも『真呼吸』の効果ですね。将来的には、増築したハウスで誠和の統合環境制御『Next80』と『真呼吸』を組み合わせて、収量と品質をさらに高めたいです。より多くの人にバラの奥深い世界を知ってもらいたい。そのために、より綺麗なバラを沢山作って、お客様に届けたいです」
最近はスモーキーな色合いのバラが人気だという。
Case2 トマト農家(東馬場農園)
次にお話を伺ったのは、港町・神戸の中心部からほど近い同市北区で2012年から施設園芸を始めた東馬場農園の東馬場怜司さん。同園では『うれしいおいしいを農場から食卓へ!』をコンセプトに、生産物の約9割を直売している。
東馬場農園の東馬場怜司さんと自社運営の直売所。遠方から買いに来るお客さんも多い。
「大学の農学部を卒業した後、農業資材メーカー社員として働いていたのですが、2012年に一念発起して就農、家族が守り続けてくれた農地にハウスを建てました。
当初からCO2施用機を入れていましたが、それは一般的な灯油燃焼式でした。そのためハウス内が暑くなりやすく、またダクトが作業の邪魔になったりと、不満を抱えていました。そんなとき誠和さんが低温のCO2施用機『真呼吸』を発売したので、思い切って導入したのです。
一番のメリットは、低温のCO2施用だから稼働期間が前後に伸びたこと。盛夏の直前までと、9月初頭から運転できます。ハウス内の温度が上がりませんから、トマトだけでなく、働いてくれる社員・パートさんも大喜びでした(笑)。
そして何より植物が常に元気で、健康に育ってくれます。健康だから病気になり難く、農薬散布を減らすこともできました。これはコストだけでなく労働効率の面で助かります。さらに、収量が昨年と比較して151%になりました。他のパラメータも変更したので『真呼吸』だけの効果とは言い切れませんが、それでも効果があると確信していますよ」
東馬場農園の顔「うれしおとまと」は味だけでなく可愛らしいパッケージも人気のひとつ。
「『嬉しい』『美味しい』、そして新鮮なトマトをココから食卓に直接届けることで、地域を元気にして農業の魅力を伝えたい、というのが私の願いです。自分が成功すれば、地域の若い人が農業に参入してくれるはず。この地から日本の農業を元気にして行きたいです」
Case3 イチゴ農家(佐藤果実工房)
4年前に兵庫県西脇市にUターンで戻り新規就農者として研修を受けた後、2年前にイチゴ農家として独立を果たしたのが、佐藤果実工房を経営する佐藤慶明さん。
イチゴを育てる20aのハウスに2台の『真呼吸』を導入したのは2018年3月のこと。それまでCO2施用機は使っていなかったという。
佐藤果実工房のオーナー佐藤慶明さん。
「会社員時代に里帰りしたとき、市からイチゴ農家をしませんか、と声を掛けられたのがキッカケです。西脇市は大阪・神戸から近く、イチゴ狩りを観光コンテンツの一つにしようと頑張っていて、私は乗った形ですね。
子供の頃から果物が大好きでしたから興味を持ちました。イチゴは野菜ですが(笑)驚いたのは、収量が圧倒的に増えたこと! 昨年と比較して130%になりましたね。それから品質がグッと上がりました。昨年までは夏が近づくと糖度が下がりグズグズしていたのですが、今年は6月でもケーキやパフェに使って貰えるほどでした。
収量が増えたのには理由があるんです。『真呼吸』のお陰で収穫期が長くなったのです。昨年は6月中旬には収穫を終えていたのですが、今年は7月上旬まで採れ続けました。最後は労働力が足りなくなって諦めましたが、まだ暫く収穫できたくらいです。生育が良くなるんでしょうね」
収量が上がったことでモチベーションが上がったという佐藤さんの次の目標は、隣の田んぼを買い取って真呼吸を導入したハウスを建てることだという。
「この地域も農家の高齢化が進んでいます。私も、自分が育てて貰ったように、後輩を育てて、西脇市をイチゴで元気にしたい、というのが目標です。それには、まずは自分が成功することが大事ですね」
●低温のため、夏場の施用でも暑くならず快適。
●夏場も運転できるため、 CO2施用期間が長くなり、収量と品質がアップした。
問い合わせ
株式会社誠和
TEL:0285-44-1751
問い合わせの際は、「アグリジャーナルを見た」とお伝え下さい。
text: Reggy Kawashima
photo:Daisuke tsuzuki(内田バラ園)Hiromi i(東馬場農園・佐藤果実工房)
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