IoT運用によりサトウキビ畑の雨量データ、自動集計・収穫時期予測が可能に!
2020/02/21
サトウキビ収穫機はぬかるんだ土壌での使用が難しいため、雨が降ると作業が止まり、再稼働のタイミングは経験に委ねられていた。株式会社システムフォレストは、サトウキビ畑の雨量データ収集において、IoT運用を開始。いままで手作業で行っていた雨量観測がスマート化され、サトウキビの最適な収穫タイミングが予測できる。
自動収集データを活用
収穫タイミング予測につなげる
熊本県に本社を置く株式会社システムフォレストは、IoTの技術を活用し、石垣島製糖株式会社が所有するサトウキビ畑の「雨量データの収集・可視化」を自動で行うことを実現、運用を開始した。
サトウキビ収穫機は、ぬかるんだ土壌での使用が難しく、土壌がある程度乾くまで稼働できない。今までは土壌状態を把握するため、職員が手作業で観測し、職員の経験から再稼働のタイミングを計画していたが、IoT技術の導入により「降雨の状況」と職員の経験を融合した、最適な収穫機再稼働のタイミングの決定が可能だ。収穫機の計画的な稼働や、栽培されたサトウキビから粗糖を製造する工場現場の作業効率化につながると期待されている。
電源のない広大なサトウキビ畑での導入につながった背景には、株式会社ソラコムが提供するIoT向けのデータ通信を提供するサービス「SORACOM Air for Sigfox」と、オプテックス株式会社が提供する「IoT無線ユニット ドライコンタクトコンバーター」の利用がある。
「SORACOM Air for Sigfox」は無線通信規格の1つで、省電力で広域をカバーできるため、IoT用途での利用に適している。一方、「IoT無線ユニット ドライコンタクトコンバーター」は、既存のセンサーデバイスやスイッチなどの機器を接続することで、IoT対応の機器としてサービスをスムーズに立ち上げることができる。
雨量桝にIoTセンサを設置して
クラウド環境にデータ蓄積
具体的なシステムとしては「SORACOM Air for Sigfox」経由で、サトウキビ畑に設置されている雨量桝のIoTセンサをもとに、「降雨の状況」(強、弱)、「15分間降水量」などのデータを連続的にリアルタイムで自動取得し、クラウド環境に蓄積。蓄積された雨量データの現在値、簡易な集計結果、対比データなどの結果を分かりやすく示すことで、データをパソコンやスマートフォンで閲覧できるようにする。
目標は石垣島全島での導入
システムフォレストは、現状で石垣島のサトウキビ畑3圃場に導入している。今後はさらなる収穫の効率化に向け、石垣島全島のサトウキビ畑に導入していくことを目標にサポートを続けていく。また、測定ポイントを増設することで、サトウキビの栽培管理の活用にもつなげていく予定だ。
DATA
株式会社システムフォレスト
株式会社ソラコム
オプテックス株式会社
Text:竹中唯