トヨタの生産管理ツール「豊作計画」が大幅刷新! 野菜や果樹、畜産にも対応
2020/03/17
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の農業IT管理ツール「豊作計画」がリニューアルされた。適応品目の拡大に加えて、生産作業の工程管理や、販売、経営などをサポートする機能を、ニーズに合わせて選択することができるようになった。
トヨタの農業IT管理
クラウドサービス「豊作計画」
トヨタの手掛ける農業IT管理ツール「豊作計画」がリニューアルされ、4月より提供が始まる。「豊作計画」は、広範囲に分断して存在する水田を集約して管理し、効率的な農作業を目指すために開発されたクラウドサービス。
作業工程やコスト管理などのトラブルに対応する異常管理を通じて、育苗工程から作りすぎを防ぐなどの経営改善を促すことで、効率的な農作業を支援するサービスだ。現在、全国90を超える農業経営体に導入されている。
適応品目の拡大に加え
ニーズに合わせた機能選択が可能
今回の新たな「豊作計画」では、農業経営体からの要請に応え、適応品目を拡大。米作だけでなく、野菜・果樹・畜産などにも幅広く適用できるように刷新した。
また、受注・人員・生産・出荷・在庫の一連情報を、一元管理する新機能も追加した。これによって、受注生産である野菜の生産計画の精度向上につながり、廃棄ロスや出荷遅れの低減を目指せる。
また、経営者の負担となっていた生産・人員計画の作成などの、管理業務の効率化も可能になった。
システムラインアップは3種類
オプション機能も追加
システムラインアップは、「Type A」「Type B」「Type C」の3種類。オプション設定としてはこれまでの育苗管理と乾燥調整に加え、経営管理・帳票出力・農機管理・環境管理の4種類が登場。ニーズに合わせた機能の選択ができる。
Type Aでは、従来の「豊作計画」を踏襲し、米、麦、大豆など、土地利用型作物が主な対象品目。従来と比較し、アカウントあたり30%以上の価格低減を実現した。
Type Bでは、野菜や果樹、畜産、林業といった、幅広い作物・品目が主な対象。受注・出荷・生育・在庫・人員(パート社員・従業員)にもとづく計画立案が可能だ。Type Cでは、Type A、Type Bのいずれの品目にも対応している。
オプションに追加された4機能の内容を見てみよう。
「経営管理」では、入力データをもとに、品目毎の売上げから利益率の高い作物を見える化する「成績表」や、面積・収量・売上の「シミュレーション」などの機能により、収益性向上を支援する。
「帳票出力」では、入力データを用いて、委託作業における請求書の発行・管理することで、入力ミスなどによる不要な工数を削減する。日々の日報をメール配信することで、円滑な作業進捗の共有を促す。
「農機管理」では、農業機械の稼働実績から、点検更新時期やコストを管理。繁忙期の故障を未然に防止し、機械のランニングコストを低減させる狙い。燃料の免税申請の工数低減も支援する。
「環境管理」では、ハウス内の温度・湿度・CO2濃度などのデータを入力することで栽培環境を見える化し、計画へ自動的に反映する。環境データから精度の高い計画を作成し、工数を削減する。
豊富なラインナップからぜひ自分に合ったタイプの選択肢を選んでほしい。
DATA
TEXT:竹中唯