成功する農業! 物流の壁を乗りこえる秘策とは?
2017/03/17
栽培品目が決まり、販売先も農地もめどがついた。栽培計画も作成したし、いよいよ本格的に事業を開始できそう。しかし、もう1つ忘れてはいけないことがある。それは、できあがった作物を、どうやってお客様に届けるかについて。人気企画「成功する農業!」第3弾。
第1弾:「成功する農業! 農業参入時に自問自答すべき15ヶ条」
第2弾:「成功する農業! 利益を出す作物の選びかた鉄則5ヶ条」
秘策1.野菜を栽培するだけが農業じゃない
どんなに見た目がよくて、美味しい野菜を作っても、買い手であるお客様のもとに商品を届けられなければ、お金に変えることはできない。
「野菜を栽培し、お客様のもとに届け、売上をたてる」。忘れがちだが、ここまでやって初めて農業なのだ。
個人で直売所などに出荷するだけなら、軽トラ1台あれば運べるかもしれない。ただ、企業として農業参入し利益を出すためには、販売量もある程度多くなるため、軽トラ1台というわけにはいかない。また、畑の管理を放り出して納品に行くのも、決して賢いとはいえない。自社の物流網を持っていない場合は、物流会社に依頼するのが一般的だろう。ならば、近くの業者に連絡して解決だ!
秘策2.野菜の物流は甘くない
しかし、そうは問屋が卸さない。物流会社のトラックを街で見かけることがあると思うが、大抵のトラックは3トン以上の荷物を積んだ大型のトラックではないだろうか。企業として利益を出すためには、ある程度の販売量が必要と前述したが、最初からトラックを満杯にするほどの量を栽培することは不可能だ。つまり、物流会社には「共配」をお願いすることになる。
共配とは共同配送の略で、同じようなルートを通る荷物を一緒に乗せて配送することをいう。つまり、野菜の配送先が、物流会社の配送ルートに入っているか確認しなければならないのだ。
もうひとつ、野菜は「生き物」でなので、常温便ではなく、鮮度を保てるよう冷蔵便での配送が好ましい。
納品先までのルートを持ち、かつ冷蔵便であること。この2つの条件が当てはまる物流会社をまずは探す必要がある。しかし、これがなかなか大変なのだ。