畜産DXへの第一歩に! 飼料タンクの見える化で手間もコストも削減
2021/11/05
スマート農業のひとつとして注目されているのが、飼料や燃料のタンク監視システム。設置も簡単な「センサー通信機+クラウド」で、タンク残量確認の巡回不要や飼料の枯渇防止など畜産分野で大いに活躍してくれる。
畜産経営を圧迫する
飼料コストをいかに抑えるか
日本の畜産の経営コストの中で高い割合を占めるのが飼料費。その割合は畜産農家の全経営コストの40〜60%超に達すると報告されている。ほとんどが輸入品に頼っているため、輸送運賃の変動や飼料原料価格の高騰の影響などで、生産者の経営を圧迫することに繋がる。飼料のコストをいかに抑えるかが畜産農家の大きな課題だ。
そんな問題を解決するのが、飼料タンクの遠隔監視システム「Milfee(ミルフィー)」。つくったのは、IoT・AIソリューションによるスマート農業化支援に取り組んできた株式会社YE DIGITAL。これまでに温湿度管理やAI画像判定選果、燃料タンク監視システムなどを開発し、JAなどで実用化されている。
目視巡回の時間を省力化
飼料需要や出荷予測も可能に
「Milfee」は、既存のタンクにセンサー通信機を後付けすることで、タンク残量を自動計測し、クラウドで一括管理ができる。残量が少なくなった場合はアラーム通知を行い、人による定期的なタンク残量の目視確認が不要となる。中規模畜産農家で平均的な20の飼料タンクを保有の場合、目視での巡回だと1人で半日かかると想定されるが、この時間をまるごと省力化できる。そのうえ、飼料の需要予測が分かるので飼料枯渇防止につながり、飼料の消費動向から出荷(売上)予測も可能だ。従来、測定が困難だったマッシュ飼料が精密に計測できる独自センサーを他社に先駆けて搭載しているのも頼もしい。
工事の手間は不要!
簡単・低コストで導入完了
スマート農業というと、導入の手間やコストがかかるイメージがあるが、こうした心配も不要。センサー通信機は弁当箱ほどのコンパクトサイズで、飼料タンクのふたに強力マグネットで固定するだけで取り付けが完了。電話回線・電気工事もいらない。電源は数年稼働ができるバッテリ、通信は安価なLPWA回線なので多機能クラウドがコスパよく利用できる。
省力化・リスク軽減・経営分析の3つの任務をこなす「Milfee」。コンパクトながらも飼料のコスト問題をパワフルに解消してくれる。
簡単導入の4つのポイント
1. 省電力
2. 低コスト
3. 広範囲のLPWAを採用
LPWA(Low Power Wide Area)とは「低価格小容量」が特徴の通信サービスの意味。携帯電話基地局の電波を利用するので、全国でもどこでもつながりやすく通信コストも安価。
4.コンパクトサイズでコストをかけず簡単設置
「Milfee」の設置はタンクのふたにつけるだけ。バッテリ駆動なので配線工事も不要で、4年間以上電池交換不要(バッテリ寿命は送信周波による)。
①残量計測センサー、②LPWA通信機、③強力マグネットによる金属フタの固定
問い合わせ
文:後藤あや子
絵:堀千里
AGRI JOURNAL vol.21(2021年秋号)より転載
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