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契約栽培、販売先開拓はDXで効率化するのか? 買取・販路マッチングシステム活用のポイント

契約栽培、販売先開拓のDX

「条件が合う相手を探す」という意味では、デジタル技術は非常に有効な手段です。情報を登録し、その情報を検索して表示できる、というのはインターネットもそうですが、デジタル技術の最も得意とするところだからです。

今では、様々な農業のビジネスマッチングの仕組みがありますが、基本的な考え方は同じです。農業生産者と買い手企業においても、それぞれの希望の条件を情報として登録しておいて、お互いに条件が合いそうな相手を検索してコンタクトできる仕組みがあれば、紙や電話を使って取引先を探すよりも効率的、効果的にマッチングすることができるようになります。

例えば、「アグリーチ」では、生産者と小売・飲食業者、卸売業者が自分の情報を登録したうえで、お互いを検索しあって、コンタクトが取れる仕組みとなっています。また、作業管理などを記録できる「アグミル」でも、作業記録をしている生産者と買取希望事業者のマッチングを行っています。最近は企業側から自分たちの条件に合う生産者を探す動きが活発になっていることもあり、この2つのサービスの連携もスタートしました。



このような生産者と買取企業のマッチングによる販売モデルのDXは、自分で取引先を見つけ、価格を決めて販売していくための営業活動を効率的にするために非常に強力なツールです。しかし、こういった買取マッチング、販路マッチングのシステムを活用するにあたって重要なポイントは、どちらも「キッカケづくり」である、ということです。

小売業でも、飲食業でもバイヤーの多くは生産者と直接会話し、圃場を視察し、農産物のサンプルを見なければ、契約締結には至りません。最終的に、しっかりと契約締結し、販売先を確保していくには、生産者も営業対応能力を磨いておく必要があります。デジタルで取引先候補を効率的に発見し、コンタクトしたのちは、自分の営業力で契約までこぎつける意識が重要です。
 

CHECK!
農業のビジネスマッチングのプラットフォーム

アグリーチ

農林水産業流通マッチングナビagreach(アグリーチ)は、農林水産物の流通に携わる事業者に関する情報プラットフォームです。売りたい商品や買いたい商品、希望する取引条件など、知りたい情報を検索して新しい取引先を探すことができます。

 


アグミル

agmiru(アグミル)はスマホ一つで簡単便利に農作業記録ができるアプリです。さらに記録を中心に、作物の買取マッチング、農業資材の購入、市場情報から農業に関連する情報の閲覧など、農家の方々から家庭菜園愛好家までがご利用いただけます。

 

教えてくれた人

公益財団法人 流通経済研究所
主席研究員

折笠俊輔さん


AGRI JOURNAL vol.28(2023年夏号)より転載

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