活用の幅が広がる、次世代農業ドローン4選
2017/12/06
徐々に実用性を高めつつある農業用ドローン。性能向上だけでなく、新機能の追加や狙いを絞った製品など、ラインアップは多様化している。今回は、10月の農業ワールドで注目をあつめたドローン4機をご紹介しよう。
稲作農家必見!
完全自動飛行型の農業ドローン
稲作農家から注目を集めていたのが、ナイルワークスが展示していた「農業用ドローン」。
この農業用ドローンでは、オペレーターの操縦は必要なく、圃場の形状をタブレットPCに登録しておけば、「開始ボタン」を押すだけで離陸から着陸まで完全自動実行。作物上空30cmを自動飛行させるたけで、農薬や肥料の散布に加え、搭載したカメラで稲の生育状態を診断できるのが特長だ。
商品名:農業用ドローン
価格:ドローン本体+クラウド利用:350万円、レンタル:100万円/年
問:ナイルワークス
HP:ナイルワークス公式サイト
高性能ドローンを活用した、
スマート農業ソリューションが開始
オプティムはAI・IoT・ビッグデータを活用して“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現することを目的とした「OPTiM スマート農業ソリューション」を開始した。そしてもちろん、このソリューション内でもドローンが活躍している。広域・長時間のデジタルスキャンを実現する固定翼ドローン「OPTiM Hawk」、高画質・高性能のマルチコプタードローン「OPTiM Agri Drone」、高度な自立運転が行える陸上走行型ロボット「OPTiM Crawler」の3種類だ。これらのドローンを使って圃場や農作物の映像や画像を取得し、解析システムを通すことで、病害虫の検知や発生予測、生育管理など、ニーズにあわせたサービスを提供することができる。
商品名:OPTiM スマート農業ソリューション
価格:ドローンのみの販売は無し
問:オプティム
HP:オプティム公式サイト
農業用ヘリのヤマハ発動機がドローン!
小回りが効く高性能が魅力
農業用無人ヘリの第一人者ヤマハ発動機が、農業用ドローン「YMR-01」を発表した。無人ヘリでは対応しにくい狭小圃場や住宅密集地などに対応する機体として開発されている。
二重反転ローターと最新の軽量化技術(軽量で剛性バランスに優れたモノコックシェル構造カーボン製ボディ)の融合により、高品質な散布、使い勝手の良さ、そして信頼性を求める農家のニーズに応える。6軸ローターの左右2軸を“上下二重反転”とする8枚ローター式を採用することで適切な降下気流を生み出し、二重反転軸近傍に散布ノズルをおくことにより作物の根本まで均一に薬剤を届ける。1フライトで1haの散布が可能というから、その性能は充分。
同社オリジナルのフライトシミュレーターなどを活用した実践的な教習サービスも用意するという。これは要注目の新ドローンだ。
商品名:YMR-01
価格:未定(2018年発売予定)
問:ヤマハ発動機
HP:ヤマハ公式サイト
バッテリー交換&農薬充填が30秒!
世界シェア7割のDJIが放つ農業用機
拡大を続けるドローン市場で世界的に圧倒的なシェアを持つDJI。同社の販売代理店SkyLink Japanが展示していたのが”Agras MG-1″だ。一般的にドローンは徐々に実用性を増しているものの、飛行時間には未だに難があるのも事実。既存機ではバッテリー交換や農薬充填のたびに5~10分が必要となっていた。ところが農業専用機として開発された本機では、この無駄な時間を削減するため使い勝手を向上。その結果、それらの作業が僅か30秒程度で可能となった。飛行時の制御も格段に高められており、10kgの農薬を搭載して10分間の飛行で約1haの散布が可能。インテリジェントスプレーシステムが、飛行速度によって散布量を自動的に調節し、常に液体を均等に散布することが可能としている。
パイロット養成のスクールも開校しているから、実作業前に充分な知識と経験を身につけることができる。また全国のサービスセンターがトラブル時に迅速な対応をしてくれる。手厚いアフターサービスを期待できるのもDJI正規販売代理店ならではだ。
商品名:Agras MG-1
価格:220万円(税別)[Agras MG-1本体、専用バッテリー、専用充電器、専用ケース]
問:SkyLink Japan
HP:SkyLink Japan公式サイト
text:Reggy Kawashima