農閑期にこそプロによるメンテナンス! 農機のロングライフ&作業効率アップの新習慣を
2020/02/28
「農機のメンテナンスは自分で……」という方も少なくないはず。その心意気は良いのだが、農閑期にプロのメンテナンスを受けることをお奨めしたい。今回は、三菱農機のサービス工場にお邪魔して、プロによるメンテナンスの重要性についてお伺いした。
農業機械のメンテナンス
農閑期は整備のチャンス!
農業と機械は切っても切れない関係にある。特にエンジンの力を利用する農業機械にお世話になっていない生産者はいないはず。農業機械は生産者にとって頼れる相棒であるが、農繁期はメンテナンスを怠りがち。多くの生産者にとって農閑期に当たる今は、しっかり整備する絶好のチャンスだ。
日常整備の基本は自分で行うセルフメンテナンス。内容は取扱説明書に記載されている。給油・給脂・給水のほか、オイルやフィルターの交換、ベルト類の点検・調整、タイヤやハンドルの点検などである。
一方で、取扱説明書に記載された整備を自分で漏れなく実施するのは大変だ。時間がかかるし、ある程度の工具や技術が求められ、なかには危険を伴う作業も。整備中に、逆に壊してしまうケースさえある。また、取扱説明書に記載された『点検』という言葉には注意が必要だ。自分で行うのは点検まで。不具合があるならプロに任せることを意味する。であれば、点検の段階からプロに任せるという手もアリではないだろうか。
基本に忠実で丁寧な作業
プロの整備はココが違う
プロに任せるメリットは数多い。急に故障する確率がグッと下がるから、農繁期に確実に使える。ただ稼働するだけでなく好調を維持できるから、性能をフルに発揮し心地よく作業できる。プロに整備を依頼するには費用は必要だが、定期的に見てもらえば大きな故障を避けられるから、長期的には機械にかかる経費を抑えられる。農業機械の整備のプロは、どう考えているのだろうか? 三菱農機販売 技術部の西田部長が教えてくれた。
「ここ三菱農機のサービス工場では、最新の大型機械から手押し式の小さな耕運機まで、弊社が販売したあらゆる機種に対応できる体制を整えています。新製品の技術指導や、近年増えている電気系の技術講習会も行なっている、三菱農機のメンテナンスの中核となる施設なんですよ。生産者さんご自身で整備されることは大歓迎です。エンジンオイルやフィルター交換などは、取扱説明書を参考にして、ご自身で整備してください。
しかし、農業機械は機械ですから、整備せず使い続ければ必ず不具合がでますし、整備にはプロにしかできない作業もあります。ここには、そうした重整備に必要な専用工具・測定器を完備しています。農業機械も高価になってきていますから、年に一度はプロに整備を任せてほしいですね。そうすることで機械は好調を維持でき、寿命も延び、結果的にはコストも下がります。
実際に、今年発売されたコンバインが、調整のために入庫しています。スプリング長、チェーンの張りなど、調整箇所が多くて、これを正しく実施するのは大変です。自転車だってチェーンが伸びてしまったら、しっかり走れませんよね? こうした整備も技術が必要なんです」。
今回は『プロだからできる』という部分に焦点をあてたが、実は彼らの凄いところは『基本に忠実である』ということ。取扱説明書にある項目は一つ逃さず作業を実施している。この真摯な姿勢に専用の道具と経験が加われば……プロに任せてみたいと思うはずだ。
まとめ:プロのメンテナンスって本当に必要?
プロのメンテナンスを受けるメリット
1:農繁期の故障が減るから効率がアップする
2:突然の大きな故障が減るから長期的にコストを削減できる
コレがセルフとプロの違いだ!
1:コンピューター診断や精密な計器で正確なメンテナンス
2:特殊な工具や高い技術で重整備や複雑な調整が可能
セルフではカバーできない
メンテナンスをまかせよう
コンピューター診断や専用の工具を使った各部の調整
近年の農業機械ではエンジンの調子を確認するためのコンピューター診断が実施されている。これができるのはプロだけだ。
油圧ゲージを用いた作業もプロならでは。各部の油圧を測定することで不調箇所を特定できるから、適切な整備が可能となる。
調整箇所が多く複雑な作業
調整のため入庫していた最新モデルのコンバイン。スプリング、ベルト、チェーンが張り巡らされており、それぞれの長さ、張りなどを規定通りに調整するにはプロの技術が必要だ。
専用工具を用いた重整備
20年以上前のモデルで作業時間は2,000時間超え。オイル交換せずに使用し続け、クランクのメタルが焼き付いていた。
こちらは専用工具でピストンをコンロッドにセットしているところ。
取材したのはこちら!
今回取材したのは、埼玉県久喜市にある三菱農機のサービス工場。最新式のコンバインから小さな耕運機まで、同社が販売したあらゆる機種に対応できる。
問い合わせ
三菱マヒンドラ農機
営業戦略統括部
TEL:0480-58-7050
photo:Natsuki Matsuo(Ohkawa Naoto Photography inc.)
text:Reijiro Kawashima
AGRI JOURNAL vol.14(2020年冬号)より転載
Sponsored by 三菱マヒンドラ農機