【専門家監修】長時間の前かがみ姿勢で腰痛に。原因は「お尻の硬さ」!? ぎっくり腰も防ぐ「腰」ストレッチを解説
2026.10.10
農業従事者に最も多い不調といえるのが腰痛。腰をかがめる中腰姿勢や重い荷物の運搬、収穫時の反復作業など、全身に大きな負担がかかる農作業。毎日の疲労を蓄積させないために、不調が出る前から身体を整える習慣を身につけたい。
腰痛は長時間の
“前かがみ姿勢”が原因
農業従事者に最も多い不調ともいえるのが腰痛。長時間の中腰姿勢は腰に大きな負担をかけるだけでなく、慢性的な疲労を蓄積させ、深刻な症状につながることもある。
農作業では前かがみ姿勢が長時間続くことが多い。この姿勢では本来、腹筋を使って体幹全体で身体を支える必要がある。しかし腹筋がうまく働かないと、腰だけで上半身を支える状態となり、腰の筋肉に過剰な負担が集中する。こうした負担の蓄積は、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアにつながることも。
水野先生は「農家の方は骨盤が後ろに倒れ、腹筋が抜けた状態になりやすい。その結果、腰だけで支える姿勢になってしまいます」と指摘。腰に負担をかけない姿勢や疲れを溜めない意識が大切だ。
ぎっくり腰になりにくい荷物の持ち方

重い荷物を持つときは、前かがみのまま勢いで持ち上げないこと。実は腰に一気に負荷がかかる姿勢でぎっくり腰にもなりやすい。膝を深く曲げて、しゃがんだ状態から、膝を使って身体全体で持ち上げる意識をすることで、腰を守ことができる。
作業中に注意したいこと
● 長時間同じ中腰姿勢を続けない
● 荷物は勢いで持ち上げない
● 腹筋を意識して体幹で支える
● 作業の合間に背筋を伸ばす
● 疲労が強い日は無理をしない
腰をケアするストレッチ
①「お尻」のストレッチ

お尻は意外と凝っていたり、疲れが溜まっていたりする場所。ここが硬いとぎっくり腰の要因にも。
<やり方>
座った状態で、片足をあぐらをかくように寝かせる。反対の足は寝かせた足のももを跨ぐようにクロスさせる。跨いだ足側のお尻は床から離れないように意識を。この状態で膝を引き寄せる。お尻がじんわりと伸びていればOK。反対側も同様に。
②「腰」のストレッチ-背骨-

背骨沿いにある筋肉を伸ばし、長時間の前かがみ姿勢による腰の疲労を軽減。朝起きたときの腰の張り改善にも役立つ。
<やり方>
座って両足の裏を合わせる。足でひし形をつくった状態で前屈する。腰の付け根から背中が縦に伸ばされているのを感じよう。足を引き寄せすぎると腰に効かないので注意。
③「腰」のストレッチ-サイド-

腰の横にある腰方形筋(ようほうけいきん)を伸ばし、慢性的な腰のだるさや左右差による痛みをやわらげる。
<やり方>
足を伸ばしたまま横に広げ、反対の足は内側に曲げる。伸ばした足の指を近い方の手でつかみながら、反対側の腕が体の上を通って伸ばした足側に倒れるように側屈を行う。身体が前に倒れないのがポイント。反対側も同様に。
教えてくれた人
水野彰宏先生

プロバスケットボールチームのトレーナーとして長年活動後、栃木県宇都宮市でミズノ治療院を開業。スポーツ選手のほか、栃木のイチゴ農家や米農家などが抱える身体的不調のケアのニーズにも応える。
HP:www.junk-trainer.com
写真/清水今日子
文/藤田都美子
AGRI JOURNAL vol.40(2026年夏号)より転載
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