注目キーワード

最新技術

病害虫の発生情報がすぐ届く! 素早い対策を叶えるアプリ 「むしきんコール」で効果的な防除へ!

確実な防除を目指すなら、病害虫の発生情報を、いち早く手に入れたい。農作物を守り、収量を確保するうえで役立つアプリ「むしきんコール」の機能と魅力をご紹介しよう。

<目次>
1.ほかの地域の発生情報は将来への備えにもなる
2.むしきんコールとは?
3.機能をご紹介!

 

ほかの地域の発生情報は
将来への備えにもなる

栃木県のほぼ中央に位置する、栃木県塩谷郡高根沢。この地域には稲作の農家が多く、晩夏になると、黄金色に染まった圃場が点々と見られるようになる。

本記事に登場する永井秀和さんも、稲作農家の一人。永井さんが管理する水田でも、たわわに実った稲が穂を揺らしていた。

永井秀和さん。約10haの水田で米を作りつつ、合計32aほどのハウスでイチゴ栽培にも取り組む。農閑期は、無人ヘリコプターを使っての農薬散布業務を受注しており、全国各地に出張する。
「病害虫や過剰な暑さは、米づくりの天敵。これらに負けないための工夫は欠かせません」。こまめな水管理と肥料の調節をとおし、高温障害や倒伏などを防いでいるという。

15年ほど前に親元で就農し、以降、米の生産に携わってきた永井さん。ほぼ毎年、大きなトラブルに見舞われることなく、豊作を勝ち取ってきた。この成果は、こまめな防除活動によるものだという。

「毎年のように出るのは、カメムシですね。いもち病やウンカが出てくる年もあります。いずれも、米の品質や収量を大きく減らす可能性があるもので、非常に厄介です。毎年、早めに防除を始めるので、これらの発生を防ぎ、被害の拡大を抑えられています」と話す。

病害虫を防除するコツは、「正しい方法で早めに対処すること」と言い切る永井さん。地域における病害虫の発生情報を素早くキャッチでき、詳しい対処方法も知ることができる「むしきんコール」については、次のように感想を語った。

「普段、県内で病害虫が発生すると、農業の関連団体からお知らせがきます。ただ、発生情報をタイムリーに得られない場合も。また、防除の具体的な方法は、自分でネットを検索して探すことが多いですね。けれども『むしきんコール』があれば、発生情報をいち早く手に入れられますし、アプリ上で詳しい防除方法も知ることができます。この点は魅力ですね」。「むしきんコール」は、素早い対処と被害の未然防止に役立つアプリなのだ。

病害虫の発生情報が発表されると、すぐにスマホにプッシュ通知が届く。また、通知欄には、具体的な防除方法などが記載されたPDFもある。情報がスピーディに届くため、焦ることなく農薬の在庫チェックや防除ができる。

また、本アプリはユーザー参加型。アプリ上には全国各地のユーザーからの、病害虫の発生や対処に関する情報が寄せられる

「他県における病害虫の発生情報や、ユーザーからの投稿も参考になります」と、永井さん。

「温暖化の影響で、今後、関東の気候が西日本の気候に近くなるといわれています。そうなれば、西日本でしか出ていなかった病害虫が、関東でも多発するでしょう。今から西日本の病害虫の発生傾向や、対策法を知っておけば、後々、慌てずに済みそうです」。


むしきんコールとは?

「むしきんコール」は、今年6月にリリースされた病害虫発生情報アプリ。「害虫」と「病気」の発生情報を“通知(コール)”することから、「むしきん(虫菌)コール」という名前がつけられた。

基本機能は、都道府県が提供する病害虫の発生情報の閲覧。また、農業総合情報サービス「つなあぐ」に会員登録し、「つなあぐID」でログインすると、会員特典機能が使えるように。必要な情報がタイムリーに届くほか、気になる情報を保存できる。さらには、ほかのユーザーの発生状況も閲覧可能だ。

CHECK!
「むしきんコール」を利用すると「つなあぐポイント」が貯まり、貯めたポイントは電子ギフトや日用品に交換できる

むしきんコールの機能をご紹介!

基本機能
警報などをワンタップで把握

トップ画面の「発生速報」ボタンをタップすると、「病害虫発生マップ」が表示される。マップ上には、警報や注意報、特殊報*のアイコンがある。それぞれのアイコンをタップすると、都道府県によって発表されている警報などの内容を確認できる。

*農業関連の公的クラウドサービス「WAGRI」から取得

3つのポイント

①防除方法も確認できる
警報や注意報、特殊報のアイコンを押すと、発表日や対象作物などが表示。「PDF」ボタンをタップすると詳細な防除方法などが分かる。

②期間などが絞り込める
「病害虫発生マップ」には、検索機能も搭載。任意の都道府県と作物、病害虫、期間を入力すると、該当する発生情
報のみ表示される。

③発生状況がひと目でわかる!
警報や注意報、特殊報のアイコンは、発生情報に基づいて、マップ上に表示される。病害虫の発生状況が、視覚的に確認できる。

会員特典機能①
欲しい情報がすぐに届く

プッシュ通知機能も搭載。任意の都道府県、作物、情報区分を選択すると、該当の情報が発表された際に通知が届く。関心がある情報のみ、タイムリーにキャッチできる。

また、気になる発生情報は、ブックマークに保存可能。トップ画面の「ブックマーク」ボタンを押すと、保存した情報が一覧で表示され、それぞれの内容も呼び出せる。

会員特典機能②
次の判断に活かせるマップと情報

「病害虫発生一覧」より、任意の発生情報を選択した後、自身の圃場における病害虫の発生状況を投稿できる。

また、防除の方法や使用した農薬も投稿可能。ユーザーの投稿によって作られる「みんなの発生状況」では、病害虫の発生の分布などが確認できる。これらの情報は、防除を始める時期や防除方法の検討時に役立つ。

問い合わせ

住友化学株式会社運営[つなあぐ]


写真:松尾夏樹
文:緒方よしこ

AGRI JOURNAL vol.37(2025年秋号)より転載

Sponsored by 住友化学株式会社

アクセスランキング

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.37|¥0
2025/10/01発行

お詫びと訂正