農薬要らず! 性フェロモンで害虫防除できるってホント?

農家にとって厄介な存在が、畑の作物を荒らす害虫。今までは農薬を散布して駆除するのが一般的だったが、最近、新たな技術の研究が進められている。それが性フェロモンを使った防除技術だ。持続可能な農業につながるその中身とは?

各地で研究開発が進む
性フェロモンによる害虫防除

沖縄県農業研究センターと独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、害虫「ケブカアカチャコガネ」を、性フェロモンを使って防除する技術を確立し、実用化したと発表した。ケブカアカチャコガネは、主に宮古島および伊良部島のサトウキビ畑に大きな被害をもたらす害虫だ。

この技術は、科学的に合成した雌の性フェロモンを封入したポリエチレンチューブを畑一体に仕掛け、性フェロモンを充満させて成虫の交尾を阻害するもの。

実際に被害地域のサトウキビ畑で確認したところ、この技術により次世代の幼虫数を無処理の場合の1/20程度(食害が出ないレベル)まで減らすことができた。

 

生物研リリース「性フェロモンを利用したサトウキビの害虫防除に成功」

性フェロモンを利用した害虫防除技術は、沖縄県以外でも各地で研究が進められており、例えば長野県では、レタスに付く「オオタバコガ」や、キャベツなどのアブラナ科の作物に被害をもたらす「コナガ」といった害虫を防除するための実証実験を進めている。

農薬の使い過ぎで起こる
害虫の薬剤抵抗性

害虫駆除には農薬の使用が一般的だが、同じ農薬の使用を長期間続けていると、害虫に薬剤抵抗性が発生し、その農薬が次第に効かなくなってしまう。だが、この性フェロモンの技術を用いれば、農薬の散布を減らすことができる。その分、薬剤抵抗性が発生しにくくなり、それだけ長く将来に渡って害虫を防除できるというわけだ。

持続可能な農業を支える技術として、性フェロモンを使った害虫防除の進歩が期待される。

DATA

独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)
沖縄県農業研究センター

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