<若手農家の挑戦>新規就農に欠かせない人脈作り

2016年、東京青梅市に新規就農した繁昌さん。江戸東京野菜や全国の在来品種を有機農法で栽培し、都内のマルシェや飲食店で評判となっている。繁昌さんの就農までの道のりを聞いた。

前記事 <若手農家の挑戦>東京の農業ならではのメリットは?

東京での就農を決めた出会い

「大学時代に専攻した生態学で、自然の美しさや生命の力強さに感動し自然と関わる仕事をしたい思いました」と、繁昌さんは農業をはじめたきっかけを語る。

大学を卒業すると、まずは大手八百屋グループの店舗で一年間働き、販売スキルや野菜の知識を身に付けた。「お客さまと触れ合う中で、もっと野菜の魅力を伝えたい。そのために、自ら野菜を育てる農家として独立したいと思いました」

しかし、東京都小平市の非農家の家庭で生まれた繁昌さんは、農業の知識はほどんどなかった。そこで、栽培知識のあるスタッフのアドバイスを受けることのできる体験農園を借りた。さらに、農園が運営する農業学校に通い土づくりの基礎を学んだ。全国から集まる農業を志す仲間たちとの交流は、互いを高め合う良い機会にもなっていた。

繁昌さんの悩みは、卒業後の就農先だった。そんなある日、参加した異業種交流会で、東京都立川市で多品目栽培に取り組む農家と出会う。「東京でも農業が出来るのか!と衝撃を受けました。東京で営む農業に魅力と可能性を感じました。そこで、生産技術や経営ノウハウを学ぶため、研修生として2年間お世話になりました」。

そこでは通年で多品目栽培を行い、夏には鮮度が命とされる枝豆やとうもろこしをメインに栽培していた。地の利を活かし、東京のマーケットに新鮮な野菜の販売を行うためだ。東京ならでは農業のメリットを学んだ繁昌さんは、東京での就農を決意した。当時、農の雇用事業を活用していたこともあり、都が農地を積極的に斡旋してくれ、農地の借り入れは比較的スムーズに行われた。

しかし、いざ独立となると研修先と自分の畑との違いに、苦労は絶えなかった。種をまくタイミングが遅れ、収穫が予定より1週間も遅れることもあった。分からないことは研修先の農家にも相談したが、農業学校で出会った全国の仲間の存在も心強かったという。

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