これが、農家が本当に欲しかった生分解性マルチ! 「ネイチャーマスター®」がマルチの新たな選択肢へ

回収の手間を省き、農家の負担を減らす「生分解性マルチ」。2025年、分解の絶妙なタイミングと高い強度を実現した「ネイチャーマスター®」が登場した。サトイモの産地・JAいるま野におけるリアルな導入効果と、素材のプロと学術の知見を結集させた開発の舞台裏に迫る。

メイン画像:ネイチャーマスター®を導入したサトイモ農家の栗原一喜さん(写真右)と、JAいるま野 所沢資材センターの矢島義康さん。

 

現場で求められていた
分解の“ちょうど良さ”

埼玉県のJAいるま野管内では、昭和40年代からサトイモの生産がはじまり、現在は全国有数のサトイモ産地として知られる。その背景には、生産効率向上のためJAいるま野がバックアップしてきた歴史がある。ここ数年で成果を挙げているのが、回収の手間をなくす「生分解性マルチ」の推奨だ。従来よりコストはやや上がるものの、それに見合う効果があると生産者に支持されている。 

サトイモや春ニンジンを栽培する栗原一喜さんは、普及初期から生分解性マルチを活用してきたが、課題もあったと指摘する。

所沢市で約40年農業を続ける栗原 一喜さん。サトイモ、ニンジン、エダマメなどを生産。回収の省力化につながる生分解性マルチに価値を見出し、コストに見合うサトイモの生産に活用する。

「ニンジンの収穫が6月にあるのですが、ちょうどサトイモの土寄せ時期でマルチ剥がしの重労働と重なります。手間を減らしたくて生分解性マルチを導入しました。ただ、従来製品は分解が早すぎて草だらけになったり、逆に残りすぎたりすることがありました」。

こうした現場の声を受け、JAいるま野が昨年から推進しているのが生分解性マルチ「ネイチャーマスター®」だ。合成樹脂原材料の扱いに長けた昭光通商が開発した製品で、優れた強度や分解期間の調整設計により性能を高めている。

JAいるま野の矢島義康さんは、推進の狙いをこう語る。

「マルチの回収や処分は莫大な労力がかかります。生分解性マルチでその重労働を解消できれば、他の作業へ時間を回せます。単に高価と捉えるのではなく、作業時間の短縮や地温抑制による正品率向上など、コストに見合う十分なリターンがあると考えています。早期分解してしまう従来の生分解性マルチの場合、端がめくれてしまい、風で飛ばされないように再度土を寄せる必要がありましたが、ネイチャーマスター®は分解速度が想定通りだったことから、その手間がありませんでした」。

従来のポリマルチを剥がすのと同じタイミングまで生分解性マルチが残り、そこから分解されていくのがベスト。ネイチャーマスター®は、栗原さんにとって残ってほしい土寄せ後のタイミングまで土を覆っていた。
※写真は、2026年8月に埼玉県内の同一圃場で比較した他社製の生分解性マルチ(左)とネイチャーマスター®の様子です。圃場条件や生育環境により結果は異なります。

ネイチャーマスター®を導入した栗原さんも効果を実感する。

「水やりができない畑では水分の蒸発を抑えるため長く残ってほしい一方、長期間残りすぎると熱がこもって芽が焼け、『芽無し』や『芽窪』といった品質不良ができてしまいます。ネイチャーマスター®は分解タイミングがちょうどよく、土の水分が保たれて高品質なサトイモを作るのに適しています」。

日々の作業負担も激減。縦横の強度バランスに優れるため穴がラクにキレイに開き、芽が持ち上げたマルチに少し傷をつけるだけで自力で破って出芽するため芽出し作業の手間が省ける。さらにマルチが残る効果で雑草の根が浅くなり、毎日の見回りや除草作業も格段に素早く楽に行えるようになった。

回収不要の便利さに加え、ベストな期間で分解してこそ本当に使いたい生分解性マルチと言える。現場のニーズを取り入れ、さらなる改良と最適な活用法を模索し続ける先には、生分解性マルチが主流となる持続可能な農業の未来が待っている。

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ネイチャーマスター®の特徴

こんな生産者の方におすすめ
● 圃場が広く、ポリマルチの回収作業に苦労している
● 生分解性マルチを使っているものの、分解のタイミングが合わないと悩んでいる
● コストをかけてでも労働力や作業量を減らしたい

優れた強度

強度が弱く破れやすかったのが生分解性マルチの課題のひとつ。これを改善したネイチャーマスター®は「マルチャーの設定を変えずに機械での展張ができるのに驚いた」という声が多く、大きな圃場でも楽に広げられる。

穴がキレイに開く

生分解性マルチは縦方向にピーッと裂けやすいという性質があるものの、これをクリア。またフィルムが柔らかすぎると穴がキレイに開かないため、バランスを見極めて設計した。有孔加工にも対応する。

光沢感&保水力

光沢があることで、従来のポリマルチと同様の使用感が期待できる。また、水分の蒸発が抑えられて土の湿度を保つことができるのも◎。

ネイチャーマスター®のラインナップ

厚み:16μ
幅(mm):750~1800
長さ(m):200~800
最小ロット数:2本/セット

※黒、白黒あり。有孔加工にも対応。

 

「こういうのを待っていた!」
農家が絶賛するネイチャーマスター®、
その誕生秘話とは?

「導入の手間」や「分解の不確かさ」といった従来の課題を乗り越え、生産者の満足度を高める「ネイチャーマスター®」。素材商社として長年蓄積したノウハウを持つ昭光通商が、なぜあえて自社開発に踏み切ったのか。30年ちかく生分解性樹脂を研究してきた大阪大学の宇山教授と、昭光通商の開発メンバーに、徹底的な現場主義から生まれた独自の性能と、開発に懸ける熱い思いを語っていただいた。

写真左奥から、大阪大学 教授 工学博士 宇山 浩さん、昭光通商株式会社 代表取締役社長 渡邉 健太郎さん、昭光通商株式会社 合成樹脂本部 テクニカルセールスマネージャー 福原 輝さん

福原さん福原さん

.当初は最終製品ではなくて、原料の調達で農業用の生分解性マルチのプロジェクトが発足したと聞いています。その中で、学術的なバックボーンを求めて、30年近く生分解性樹脂の研究をされている宇山先生を頼りました。.

宇山さん宇山さん

.生分解性マルチフィルムの理論や根拠の面で相談を受けました。実はフィルムメーカーは、そのあたりの理屈を知らなくても農業用生分解性マルチを作れてしまうんですが、昭光通商さんはそもそも原料の知識が豊富にありましたね。.

福原さん福原さん

.ええ、弊社は生分解性樹脂を20年以上扱っており、マルチフィルムメーカーさんへ素材を供給していた側です。農業用生分解性マルチを「こうやって作るといいですよ」と説明をしていたくらい、原料への理解が高まっていました。.

渡邉さん渡邉さん

.昭光通商は素材の商社なので、ほぼB to B。でもこれは直接生産者に販売するB to Cなので、異色のビジネスと言えます。.

福原さん福原さん

.そうなんですよね。当初予定していた他社での製品化計画が頓挫したことを受け、自分たちの手で製品にしようと奮起しました。きっかけは、アジア出張先のホテルで食べた野菜です。とても美味しくてスタッフに伝えると、日本からの輸入野菜だと聞きまして。普段何気なく食べている日本の野菜の大きな価値に改めて気づかされ、こうした世界基準の野菜を作る生産者の方々に、社として貢献できないかと考え始めたのです。.

渡邉さん渡邉さん

.そういう原点を持っているのは強いですよね。弊社は「Create Value,Passion to Grow」(価値の創造、成長への情熱)というフレーズを掲げており、まさにそれを感じさせる新規事業。どんどんやれ、と後押ししました。.

宇山さん宇山さん

.農業用生分解性マルチは、通常のマルチに比べて高価で、生産者からも「使いたいんだけど高い」という意見が聞こえてきます。また破れやすかったり、分解タイミングが合わなかったりと、性能がいまいちという声もあるようですね。.

福原さん福原さん

.はい、『せっかく投資したのに意味がなかった』とおっしゃる方もいました。通常の樹脂とは少し異なり、製造が非常に難しい素材なんですよね。その点、弊社は生分解性樹脂のノウハウに加え、化学や機械工学、物理学にも強い『科学』の企業です。世界中のサプライヤーとの連携による安定供給も含め、多様なアプローチやトータルコーディネートができる強みがあります。とはいえ、何より大切なのは現場で使う生産者の実感です。『日本の農業のために』を掲げ、肥料の製造・卸事業で培った知見と、数百件に及ぶ生産者の声をもとに徹底して改良を重ねました。.

宇山さん宇山さん

.生分解性樹脂はいま、素材の価格が下がっていますから、生産者も手にしやすい製品価格が実現できそうです。また土壌で分解されると農作業がラクになるし、環境にも優しい。普通のポリエチレンは100年や500年残存してしまうと言われていますが、そんなの検証できないですから、未来永劫、この地上に残ってしまう可能性もあるわけです。.

渡邉さん渡邉さん

.ええ、地球を汚さない素材であることや二酸化炭素削減に叶う点も応援したいポイントです。付け加えると、購入価格だけでみると少し高価かもしれませんが、通常のマルチのような引き剥がしの労働力や廃棄物の回収費用がなくなることで、トータルコストが下がる。さらに広い意味では、農業をしやすい環境を作るのは、日本の食を守ることや、地政学的リスクを減らしていくための課題解決に繋がる。そうした視点から価値を感じていただける製品だと思います。これらが、弊社が「ネイチャーマスター®」に力を入れる理由です。.

宇山さん宇山さん

.なるほど、そういう思いで取り組まれているのですね。目線は広大ですが、実地では福原さんたちが生産者を一軒一軒回って話を聞いたり、「ネイチャーマスター®」を試してもらったりと、とても泥臭い現場主義で地道に活動しています。.

福原さん福原さん

.やっぱり、これまでの生分解性マルチと差別化を図っていくには、生産者のフィードバックが不可欠ですから。最も力を入れたのが、分解タイミングと強度面です。この作物はどういうタイミングで分解されるのがちょうどいいのか。それでいて、裂けやすいネガティブイメージがある生分解性マルチをどうやって強くしていくのか。そうやって試行錯誤していった結果、「こういうのを待っていたんだよ!」と言われた時には本当に感激しました。価格面でも、手を出しやすいようになんとか頑張っています。.

宇山さん宇山さん

.素材そのものは他と同じでも、そこからの加工やアプローチ手法が違うということですよね。それはトータルコーディネートできる企業の強みと言えそうです。.

福原さん福原さん

.あとは、私は以前は社内で自動車分野に携わっていまして、自動車は品質保証がものすごく厳しいんですね。その知見を応用して、生産者さんが実際に使って、どういう効果を得たのか、または得られなかったのかというデータを蓄積し、検証しています。生分解性マルチの中でもかなり厳しい品質保証をしていると自負しています。そんなふうに、生産者さんに寄り添いつつ、農業の現場のサポートをしていきたいと思っています。.

渡邉さん渡邉さん

.今、農業用生分解性マルチのシェアは1割といわれていますが、「ネイチャーマスター®」を普及させることで2030年までに3割に伸ばすことが目標です。人手不足をはじめ、農業の様々な課題を解決できる製品なので、絶対にいけると確信しています。.

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問い合わせ

昭光通商株式会社
TEL:03-4363-1011(東日本営業グループ) 
06-7670-0973(西日本営業グループ)
お電話または以下のリンク先よりお問い合わせください。
 

 

※掲載内容は利用者様の声です。効果や結果には圃場条件、作物、生育環境などにより差があります。


文/本多祐介
写真/松尾夏樹

AGRI JOURNAL vol.41(2026年秋号)より転載

Sponsored by 昭光通商株式会社

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