オートパイロット機能で農薬散布を省力・効率化! 自動飛行が可能な農業用ドローン
2020/04/30
ヤマハ発動機株式会社は、自動飛行が可能な農業用マルチローター(通称ドローン)「YMR-08AP」を2020年3月に発売した。自動散布による省力化、専用ソフトによる簡単なルート作成を通じた効率化、高精度ルート追従による作業性向上を叶えるモデルだ。
ドローンを利用して
農薬散布を省力・効率化
ヤマハ発動機株式会社は、自動飛行が可能な農業用マルチローター(通称ドローン)「YMR-08AP」を2020年3月に発売した。農薬の自動散布(オートパイロット)機能を備え、さらに農業に特化したアプリケーションである「agFMS」によって簡単なルート作成が可能。自動で高精度ルート追従ができるため、作業性向上を実現できるモデルだ。
2019年3月に発売開始した「YMR-08」同様、1回のフライトでは、1ヘクタールの平地での連続散布ができることを想定(圃場条件により異なる)。さらに、液剤散布装置の散布幅を4mから5mに、自動機本体の速度と連動する散布速度を15km/hから20km/hにすることによって散布性能を向上させている。1ヘクタール当たりの散布時間は、約4分短縮(圃場条件により異なる)された。
粒剤散布装置の取り付けも可能で、内部ローラーを交換することで幅広い適用剤の散布要望に応えられる。
YMR-08AP(自動機)で実現できることの主な例
1. 高精度な測位が可能となるRTK方式を採用
2. 専用ソフト「agFMS」による二つの簡単ルート作成
① 基準局・測量モジュールによる散布ルートの自動生成、飛行軌跡の保存が可能
② MAP上での散布ルートの自動生成、飛行軌跡の保存が可能
3. 散布ルートによる圃場内飛行(加速/減速域含む)
4. 枕地散布不要なルート設定
5. GPS制御不可時の位置保持機能(ホバリング) ほか
YMR-08と共通する特徴
· 農薬を、作物の根本まで届けるダウンウォッシュ(下降気流)性能
· オペレーター操作の負担軽減と散布精度の均一化を目的とした3種類のフライトモード選択機能
※ノーマルモード、自動クルーズコントロールモード、自動ターンアシストモード
· 国内メーカーと専用開発したジャパン品質のバッテリーとモーター
· スピーディーな交換作業ができるカートリッジ式のバッテリー
· 衝撃低減、飛散防止を図るカーボン製ハイブリッドローター
· 作業車に簡単に積み込むことができる可搬性に優れた折りたたみ式のコンパクトな機体設計
· 造形美と機能美が融合した所有する喜びを感じられる機体デザイン
バッテリーの
レンタルサービスも開始
ちなみにYMR-08APの発売開始とあわせて、対象バッテリーのレンタルサービスも開始している。バッテリーの保管場所や、保管管理の煩雑さを解消することができるだろう。
また、一年に一回は同社による品質チェックが実施されるため、メンテナンスに合格したバッテリーは、シーズンを通して、その性能をフルに発揮することが可能だ。
農業現場においてスムーズな作業を実現したいと考える方は、導入を検討してみてはいかがだろうか。
DATA
文:竹中唯