作業性UP&簡単管理!「吊り下げ式」の新・イチゴ養液栽培システム
2020/12/30
オランダなどで主流のハンギング式を採り入れた、渡辺パイプの養液栽培システムの新商品『ガイアイチゴKハンギング』が発売。支柱がないため、従来のパイプ式と比べて高い作業性を実現する。
簡単吊り下げ式で支柱がない
高い作業性を実現した新システム
養液栽培システムの新商品『ガイアイチゴKハンギング』が発売された。灌水制御とモニタリングに特化した遠隔制御システムを標準装備した、渡辺パイプ株式会社の養液栽培システム「ガイアKシリーズ」の新商品だ。
従来製品はパイプベンチ式であったが、今回はグリーンハウス上部からの簡単吊り下げ式にしたことで、支柱がなくなり従来のパイプ式と比べて高い作業性を実現した。ベンチ下のスペースも有効活用できるようになったため、作業効率の向上が見込める。
生育に関しても日射比例制御機能により、日射量に応じた管理が、簡単かつ適切に行えるので、経験の浅い方でも安心して樹勢をコントロールできる。より品質の高いイチゴの収穫を目指せるとのことだ。
広ピッチのハンギング式を開発
ハウス内の日射量を確保
従来の日本の養液栽培は、パイプベンチ式が主流。しかし、通気ダクトなどを通す際にパイプが邪魔になるなど、足元のスペースに課題があった。農業先進国であるオランダなどの海外では、足元のスペースも利用可能なハンギング式を取り入れている。
ハンギング式は、吊り下げるためのハウス強度が必要となるため、3mピッチで吊り下げていたところ、今回は4mピッチで吊り下げられるハンギング式を開発。ハウス内の日射量を確保できる。
また、ベッドは栽培環境に合わせて選べる「グローバック」と「発泡ベッド」の2タイプ。オランダなど、昼と夜の寒暖差があまり大きくない地域では、フィルムを用いたグローバックが主流。
一方、寒暖差の大きい日本でも生育ができるよう、発泡スチロールのベッドを開発し、栽培環境に合わせて選択できるようになった。
ノウハウ蓄積が容易な高設栽培システム:ガイアイチゴKシリーズ
『ガイアイチゴKハンギング』は、ガイアイチゴKシリーズの新商品。同シリーズは、保水性と排水性を兼ね備えたココピート培地(ココヤシのハスク(中果皮)を原材料として、0.1~10mmに粉砕した粒を利用した有機培土)を使用した高設栽培システムで、管理作業の負担が軽減されるだけでなく、施肥管理が数値化されるため、ノウハウ蓄積が容易となるそうだ。
液肥ユニットは、無電源の物から定量ポンプまで、用途に応じて選択可能。日射比例制御を標準としているため、日射量に応じた安定的な給液管理が可能となる。
適用作物 | イチゴ | |
栽培方式 | 種類 | 固形培地耕 |
培地 | ココピート成形培地 | |
栽培ベッド | ※右記2種類から選択 | グローバック(幅200mm×高さ120mm) |
スチロール成型ベッド(幅230mm×高さ180mm) | ||
ハンギングガター仕様 | 支持構造 | 防錆ラチス構造(幅220mm×高さ140mm) |
排液ガター | ポリプロピレンシート(0.7mm) | |
スペーサー | ポリプロピレン製台(幅235×長さ1000mm) | |
ハンギングサポート | ドブメッキ品(246mm×高さ402mm) | |
吊り材料 | ワイヤー、ターンバックル | |
ガター長(ベッド型) | 最大50m | |
給液管理 | 給液制御 | 日射比例・タイマー他 |
液肥混入方式 | 1もしくは2液混入方式 | |
栽植本数目安 | 約7,000株/10a |
DATA
文:竹中唯