農薬ありきの常識を覆す。カーネーション栽培の未来を拓く「土壌環境」の再構築

長崎県雲仙市でカーネーションを栽培する浜塚剛さん。栽培を重ねる中で直面した「土壌病害や連作障害」という壁を、微生物資材「コフナ」との出会いが打ち破った。肥料に頼るのではなく、「環境」を整えることで持続可能な農業を目指す、彼の地域を巻き込んだ挑戦を追う。

<目次>
1.課題を抱えていた生育のばらつきや根張りの弱さ
2.高温や薬剤消毒後も土の微生物性を急速に回復
3.農薬ありきの常識を覆す土壌環境の再構築
4.植物を育てるのは「肥料」ではなく「環境」

 

課題を抱えていた
生育のばらつきや根張りの弱さ


長崎県雲仙市でカーネーション栽培を行う浜塚剛さんは、近年、土壌環境の変化に課題を感じていた。栽培年数を重ねるにつれて、生育のばらつきや根張りの弱さが目立ち始めたためだ。浜塚さんは、課題を解決するために様々な資材を試したが、決定的な改善にはつながらなかったという。

そんななか諫早市の資材会社に紹介されたのが土壌改良剤の「コフナ」だ。同時に島原半島で長年コフナを使用し、土壌消毒に化学農薬を使わずにトマト栽培を続けている農家を紹介された。浜塚さんはすぐにそこを訪ね、トマトの葉色や輝き、ハウス内の森の様な土の匂いに驚き、コフナを使用した土づくりの可能性を感じたという。
 

高温や薬剤消毒後も
土の微生物性を急速に回復


右:フランスコフナ、左:コフナMPSS

コフナは、嫌気性菌と好気性菌の両方をバランスよく含み、土の中の様々な環境に適応し微生物が増殖する。そのことで、団粒構造の形成を促進し根張りや活着を高めることができる微生物資材だ。

そこで浜塚さんは、土づくりの際にコフナを使用。薬剤散布後に元肥とフランスコフナを投入した。ここで特筆すべきは、コフナの微生物群の強さだ。高熱での土壌消毒後も生き残り、薬剤消毒後も急速に土の微生物性を回復させる。

浜塚さんが、違いを実感したのはトラクターでの耕耘時だった。

「長年悩まされてきた耕盤層の影響が軽減され、団粒構造が安定したなめらかな土になったことで、スムーズに爪が入るようになりました。畝立て作業も安定してできるようになり、その後の栽培でも活着が早く、生育不良株が減少し、根張りも改善しています」(浜塚さん)

その結果、肥料効率も高まり、病害虫に強く、茎折れや萎れが減り、夏場でも株の勢いが落ちにくくなるなど、様々なメリットを感じているという。

 

農薬ありきの常識を覆す
土壌環境の再構築

コフナを使用し始めて農薬の使用回数が激減したという浜塚さん。現在「カーネーション栽培において土壌消毒では農薬使用が当たり前」という常識を覆し、コフナMPSSを活用した太陽熱消毒を実践している。

「通常カーネーション栽培は、6月に土作りを行い、翌月には次期の作付けが始まるんです。ですが僕は、一部圃場を農薬不使用でコフナを使用し太陽熱消毒を行なっています。これは、未来に“農業”を残すための挑戦だと思っています」と、浜塚さんは語る。

さらに「栽培運用と経営判断、土づくりと経営の両立をしなければ農業を業として成り立たせることはできません。土づくりは重要ですが、それだけに偏ると定植時期が遅れて、年間収量や経営計画に影響するため、経営とのバランスをとりながら挑戦を続けています」(浜塚さん)

浜塚さんは、2026年は、圃場ごとに太陽熱消毒のみで進める区画と、化学農薬消毒とコフナを併用する区画を使い分ける方針だと言う。
 

植物を育てるのは
「肥料」ではなく「環境」

肥料だけで植物は育たない。植物は“環境”で作るものだと僕は思っています。ここでいう“環境”というのは、単に土壌のことだけではないんです。温度や湿度、作業オペレーション、事業投資、地域の情報連携まで含めた総合的な“環境”を指しています」(浜塚さん)

その中でも、すべての土台となるのが「土づくり」だということだ。

「長年、悩まされてきた“土づくり”でしたがコフナと出会って最後のピースがはまったように感じたんです。これで全ての環境が整ったと感じましたね」と浜塚さんは語る。

今では、「コフナ」を使用した土作りで地域の農業を発展させるため2026年1月に諫早市の八江農芸株式会社と共に土づくりをテーマにした「コフナサミット」を開催。多品目の生産者が受講後にコフナを導入し、すでに収量や土壌の変化に驚いている生産者が出てきている。今後も地元資材会社と協力して生産者同士の情報共有や勉強会にも力を入れていくのだそうだ。

「未来に農業を残すために、土壌と環境を整える。それが僕ら世代の役割だと思っています。そのためにコフナが大きなカギとなってくる」と、浜塚さんは語る。浜塚さんの土づくりを起点とした取り組みは、自身の圃場だけでは終わらず、地域内でも少しずつ広がりを見せている。

 

取材協力

TSUYOSHI’S FLOWERS

浜塚剛さん


カーネーション栽培歴18年。表面的な解決ではなく、根本的な理由を突き詰める研究者気質で高品質なカーネーションの安定栽培を目指し、挑戦と学びの共有を続ける。

 

問い合わせ

コフナ農法普及協議会(ニチモウ(株)アグリビジネスチーム)
TEL:03-3458-4369
メールアドレス:info@cofuna.jp


写真・文/株式会社LaTo 森本和
熊本県にある株式会社LaTo(らと)代表。デザイン業を母体に農家六代目として農業、農産加工を行う。さらに30年以上耕作放棄されていた牛舎を改装したレンタルスペース「LATO BASE」運営。月1回マルシェも開催している。

AGRI JOURNAL vol.39(2026年春号)より転載

Sponsored by コフナ農法普及協議会

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