果樹生産者に朗報! 高温による着色不良に新規バイオスティミュラント「キノーアップ」が登場
2025/10/14

温暖化・酷暑の影響により、果樹では着色不良が多発、品質低下に頭を悩ます生産者が続出している。そんななか、果樹の着色増進と品質を向上させる新たなバイオスティミュラント「キノーアップ」が登場した。着色不良に悩む果樹生産者を救う救世主になるかもしれない。
温暖化への短期的適応は
栽培技術で実施する
今年の夏は暑かった! 気象庁によると、2025年6〜8月の国内の平均気温は平年より2.36度も高く、過去最高を記録した。温暖化・酷暑の影響は農業生産に悪影響を与えている。果樹では着色不良が多発、品質低下に頭を悩ます果樹生産者が続出している。
2025年夏(6月〜8月)平均気温平年差の分布(出典:気象庁HP)
果樹における温暖化対策は、短期的適応=栽培技術、中期的適応=温暖化適応品種の利用、長期的適応=樹種転換・園地移動、と分けて考えるのがセオリーだ。植えた当年に収穫できる作物ではないから、適応品種の利用は中期的=数年先への対応となる。
しっかりと土づくりを行い木を健康に保つことは大前提。そのうえで、短期的適応として、被覆資材や炭酸カルシウム(コート剤)を利用するのが一般的だ。さらに今、話題になっている、バイオスティミュラント資材の活用も、優れた短期的適応手法となる。
余談になるが、これまで日本では「バイオスティミュラントとは何か」が、定義されていなかった。それが2025年5月、農水省が「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を公開し、定義付けられた。
バイオスティミュラントとは、農作物又は土壌に施すことで農作物やその周りの土壌が元々持つ機能を補助する資材であって、バイオスティミュラント自体が持つ栄養成分とは関係なく、土壌中の栄養成分の吸収性、農作物による栄養成分の取込・利用効率及び乾燥・高温・塩害等の非生物的ストレスに対する耐性を改善するものであり、結果として農作物の品質又は収量が向上するものである。
高温環境下においても
キノーアップは着色を促す
そんな背景のなかで登場したのが、高温による果樹の着色不良に効果を発揮するバイオスティミュラント資材、「キノーアップ」。発売元は、日本曹達株式会社の100%出資により1999年に設立されたニッソーグリーンだ。
植物性発酵抽出エキス「キノーアップ」1L
キノーアップの主成分は、米ぬか、菜種かす、糖蜜等の植物性原料を独自の技術で発酵・抽出した「植物性発酵抽出エキス」。動物性原料は使用していない。バイオスティミュラント資材としての有効成分として、アミノ酸、有機リン酸、糖質等を豊富に含んでおり、「植物性発酵抽出エキス」は「ぼかし肥料」のような働きをする。
気になるのは、キノーアップがどのように着色を助けているのか? その作用メカニズムだろう。ニッソーグリーンの担当者は「夜温が十分下がりきらなかった場合でも、キノーアップに含まれる豊富なアミノ酸が着色開始のスイッチを入れる役割を果たし、着色を促進すると考えられます。キノーアップは独自の製法により作物の葉や果実から吸収されやすくなっているため、豊富に含まれるアミノ酸が効率よく着色効果を助けると考えられます」と説明する。
日本国内(熊本)で製造しており、日本のほか、台湾、韓国の肥料登録を取得している。
多様な果樹生産者から
喜びの声が届く
ニッソーグリーンには、多様な果樹生産者から、喜びの声が続々と届いているという。
りんご
「近年の高温による着色不良で苦慮していたが、キノーアップを使って着色がよくなった」(長野りんご農家)
写真はキノーアップ(500倍)施用区と無処理区のりんご。全体の着色程度と地色の着色程度をみると、キノーアップの効果がよくわかる。
ニッソーグリーンの試験では、キノーアップ500倍を着色初期から3回散布したところ無処理に比べ明らかに果実の着色が進んだ。着色が進んでも硬度の低下は無かった。
りんごへの効果試験(2023年)
・供試作物:ふじ(普通8年生)
・試験規模:1区 1萄
・供試肥料農薬:キノーアップ500倍(展着剤なし)
・散布年月日:9月13日(1回目)、9月27日(2回目)、10月11日(3回目)
・調査月日:11月 27日
・調査方法:各区ランダムに10果収穫し、果重・糖度・果実の着色度合を数値にて評価した。
着色程度1(不良)~5(良)の5段階指数で着色部分の面積割合を評価した。
もも
「食味の比較でも、キノーアップ散布区の方が甘くて食味は良かった」(長野もも生産者)
ニッソーグリーンの試験では、色着きは陽光部は同程度の着色度合いであったが、日の当たりづらい果丙部の着色はキノーアップ処理区が全体に良かったことから、キノーアップの着色促進効果が確認できた。
キノーアップ(500倍)施用区と無処理区のもも。
・供試作物・品種:もも・ワッサー(無袋栽培 8年生)
・供試肥料:キノーアップ500倍
・試験規模:20a
・散布方法:SSスプレーヤーにて散布
・水量:500L/10
・散布年月日:2025年7月13日(1回目)、7月26日(2回目)
・調査年月日:2025年8月11日
・調査方法:各区ランダムに5果収穫し、着色度合いを調査した。
ぶどう
「キノーアップ使用で品質の良いものができた」(長野ぶどう農家)
柑橘、マンゴーのほか、トマト、イチゴにも効果があるという。
500倍に希釈して散布する
複数回散布がポイント
キノーアップを500倍に希釈して、果実の着色初期から3回以上作物全体に散布する。着色スイッチを入れるためには複数回の散布がポイントとなる。多くの農薬と混用が可能だから、効率的に使用できる。
高温障害に悩まされるこれからの時代、果実の着色と品質を守る「キノーアップ」は、果樹生産者の未来を切り拓く心強いパートナーとなるはずだ。
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