暑熱対策にヒートポンプを選ぶメリット・費用対効果は? ぐっぴーバズーカEXで収量・収益拡大へ

暑熱対策や夜冷処理に最適な「ぐっぴーバズーカEX」。一昨年、本機を導入した「ワイズアグリ」は、その性能を高評価し、今年3月に本機を追加導入。現地を訪れ、評価を詳しく聞いた。

 

高い冷房効果と送風力が
EXを選択する決め手に

ワクワクする農業界をつくる」という目標のもと、2020年に千葉市内で誕生したイチゴ農園「ワイズアグリ」。主力事業は観光農園事業で、現在は合計2棟のハウスでイチゴ狩りのサービスを提供している。当園の自慢は、豊かな甘みとほどよい酸味のイチゴ。環境制御装置や養液培地栽培など、先端技術を組み合わせることで生まれた逸品だ。また、面積あたりの収量も高く、県平均の約3倍という高収量を達成している。

ワイズアグリが高品質・高収量を実現する上で、役立てている機器の一つが「ぐっぴーバズーカEX」(以下、EX)だ。本品は「ぐっぴーバズーカ」シリーズのなかでも優れた除湿性能をもつモデル。同園は夜冷処理に役立てようと、2024年に初めてEXを導入したという。「夜冷処理は、農園の経営をも左右する重要な作業です」と、業務執行社員の澁谷陽平さんは話す。
 

ワイズアグリが導入した製品「ぐっぴーバズーカ エクストラタイプ」。シリーズの中でもEXは室内ユニットの熱交換器を従来機の2倍搭載し、抜群の除湿性能を有している。

 
「今の夏場は夜でも暑いですよね。何もしないと花芽の分化が遅れ、定植も遅れます。すると栽培期間が短くなり、収量と収益が落ちてしまう。夜冷処理をして良質な苗を育てることが、収量と収益を上げるポイントになります」。

EXを導入し、夏場はほぼ毎日、18時頃から翌朝の6時頃までEXを稼働させたところ、夜間はハウス内の温度を15〜16度にまで下げられるように。その結果、イチゴ苗の花芽の分化が例年よりも1ヶ月以上早まったという。

ちなみにミストシステムや強制換気なども、夜冷処理をする上では役に立つ。また、ヒートポンプ空調に比べると導入費用も抑えられる。それにも関わらず、澁谷さんがヒートポンプ空調のEXを選択したのはなぜなのだろう?

「うちでは夜冷庫は活用しておらず、代わりに自動制御などを使ってハウスを丸ごと冷やす方法を採用しています。そのため、ハウス内の温度ムラを減らしつつ、冷気をしっかり回してくれる機器が欠かせません。EXは、送風力とハウス内の温度を下げる能力が極めて高い点が決め手となり導入しました」。


ワイズアグリでは、栽培においては再現性を意識。植物生理をふまえて環境を制御し、生育を計画的にコントロールしている。例えば葉の管理においては、積算温度や株数などのデータを参考に、適切なタイミングで作業している。EXを設置しているのは、育苗用ハウス。遮熱カーテンなども併用して簡易夜冷処理を行っている。

また、日頃はEXの吹き出し口にダクトを設置。冷風をハウスの隅々にまで行き渡らせるための工夫だ。気になる電気代については、「電気代は想像したほどかかっていません」と澁谷さん。ちなみに耐久性の高さも「ぐっぴーバズーカ」シリーズの特徴。室外ユニット、ハウス内ユニットともに耐候性抜群で、水洗いもできる

費用対効果に期待でき
導入費用は早期に回収予定


EXの導入時、千葉市の補助事業を活用したため、導入費用は半分程度に抑えられたが、スタートしたばかりの農園にとっては大きな負担となりうる金額だ。それでも澁谷さんは、「費用対効果は十分に見込めます」と自信を見せた。

「EXを活用して花芽分化を促進させ、育苗時期を1ヶ月前倒しできれば、イチゴを売り出す時期も1ヶ月は早まります。イチゴの販売価格がもっとも高くなるクリスマスの時期に高収量を達成することも可能になり、その分収益も変わってくる。EXの導入費用は、早い段階で回収できると考えています。また、良質な苗を早期に生産し、他社に販売するという構想もあります」。

農業コンサルティングも、事業の一つとして展開しているワイズアグリ。これまで10件ほどの個人や企業を対象に、農業参入のための支援をしてきた。農園の規模や形態をふまえ、農園運営に必要な機器についてアドバイスするのもコンサルの役目。安定した農業経営を目指す生産者にこそ、今後、EXの導入をおすすめしていきたいという。

「夏場の気温がどんどん上がっています。イチゴやトマトなど、冷却によって生育がよくなる作物を栽培する場合、EXのような高い冷却性能がある機器は、必要不可欠になるでしょう」。

環境負荷低減にも役立つ!

1. 燃油使用量を80%削減

EXを導入し、重油加温式との併用を開始後、燃油使用量が大幅に減った

2. 10aあたりのCO₂排出量を75%削減

重油加温式を使用した場合と比べ、10aあたり32.4トンのCO₂を削減

※導入前を100とした構成比イメージ。いずれもワイズアグリで取得されたデータ

 

ぐっぴーバズーカ エクストラタイプ(バズーカEX)


大風量と高い省エネ性能を誇る「ぐっぴーバズーカ」シリーズのなかでも、特に除湿性能に優れたモデル。標準機である「バズーカシングル」の2倍の熱交換器を搭載しているため、吸い込む空気と吹き出す風の温度差をより大きくできる。ハウス内の湿気を効率よく取りのぞく、夜冷処理にも最適な機種。

相当馬力:7馬力(最大出力8.5馬力)相当機種
電源:三相200V 50Hz/60Hz
外形寸法(mm、H:高さ×W:幅×D:奥行き):ハウス内:H920×W950×D330(+195) 室外:H1338×W1050×D330(+87)
製品質量(kg):ハウス内:65 室外:122

PROFILE

澁谷陽平さん


Y’S Agri合同会社の業務執行社員。運営するイチゴ農園「ワイズアグリ」では、1組が1棟を貸切でき、6品種ほどのイチゴを食べ比べできる。現在の総栽培面積は約2,100㎡。栽培品種はかおりの、紅ほっぺなど。販売の規模を拡大すべく、複数のイチゴ農園で構成する団体を設立予定。

問い合わせ

株式会社イーズ
TEL:0120-838722
 

施設園芸・植物工場展(GPEC) に出展!
ブース番号:B-14 南1ホール

 


文/緒方よしこ
写真/松尾夏樹

AGRI JOURNAL vol.40(2026年夏号)より転載

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