トラクター後付け自動操舵「AGMO」とは? 初心者でも簡単操作で農作業を効率化

農業従事者の高齢化や人手不足が進む中、注目を集めるのが既存トラクターに設置できる「後付け自動操舵システム」。韓国で高いシェアを誇り、直感的な操作性で話題の「AGMO SOLUTION KIT」が日本でも販売を開始している。日本農地に適合する理由や、実際に導入した現場の声を取材した。

 

日本の現場にマッチする
韓国発の後付け自動操舵「AGMO」

自動操舵システムは、すでに農業生産現場に普及している。メーカーの純正自動操舵機能を新車購入時に搭載する生産者は多い。一方で、既に所有している農機に後付けできる製品も、自動操舵の普及を支えてきた。メーカーや年式を問わず、現在使っているトラクターを自動化できるのがメリットだ。

それでもまだ、未搭載の農機は少なくない。その状況を変えるために求められることの一つが「扱いやすさ」。日本では農業従事者の高齢化と人手不足が進んでいるから、熟練者だけに農機の操作を頼ることが難しくなっている。「これなら誰でも使える!」と思える扱いやすさこそが、自動操舵を導入するうえで重要になる。

そんな日本市場に後発で参入したのが、韓国のAGMO社だ。同社は韓国の後付け自動操舵システム市場において、トップクラスのシェアを誇っている。

AGMO社の「AGMO SOLUTION KIT」。直進・後進から曲線走行まで±2.5cmの高精度で自動化できる。ボタンターンや完全自動経路生成に加え、作業列の角度・移動・幅変更も簡単な操作で設定できるので、スマート農業初心者もスムーズに作業できる。

「後発であることがマイナス、とは考えませんでした。すでに日本にある製品を研究したところ、機能と扱いやすさで違いを出せると考えました」。そう話すのは、AGMO製品の日本での販売・導入支援を担う鋼鈑商事の谷洋平さん。同社がAGMOの取り扱いを決めた理由は明確だ。

「韓国でも高齢化が進んでいて、しかも日本のように、大規模な一枚圃場は多くありません。日本と似た環境で磨かれてきた製品だから、日本にも適合しやすいと思いました」。

3ヶ所に装着するだけで、自動運転が実現!

谷さんがもう一つ注目したのが、操作画面だった。

「最初に見たとき、タブレット端末の画面が大きく、設定が極めてシンプルだと感じました。ここは特にポイントが高かったですね」。

大きなタブレット端末を見ながら、設定を1階層でシンプルに完結できる。複雑な操作と設定の階層構造がない、初心者や高齢者でも扱いやすいUIを実現している。

現場からの要望を製品アップデートに反映するのもAGMOの特徴だ。例えば圃場内の走行経路を自動生成する機能。以前は難しかった条件にも対応できるよう改良され、現在では20m×20m程度の狭い圃場でも経路を自動生成できるという。

 

元普及指導員も評価する
「AGMO」の扱いやすさと実際の導入効果

そんな「AGMO SOLUTION KIT」を昨年導入したのが、福岡県筑後市で米・麦・大豆7.5ha、ナス10aを栽培する飯田さん。前職では福岡県の農業職員として普及指導員を務めていた。

福岡県 米・穀物農家 飯田涼介さん

2025年6月、福岡で就農していた祖父から農業を引き継いだ飯田さんが、「AGMO SOLUTION KIT」を導入したきっかけは、麦の播種だった。

「麦の播種期は特に忙しいです。睡眠時間を削って作業時間を作るほど多忙です。前年までは、86歳の祖父がトラクターで中耕を行い、その後で私が播種する、という体制でした。しかし、祖父がさらに高齢になれば、これを維持するのは難しい。自動操舵があれば、農機の運転経験がない妻でも作業できます。早いうちから持続可能な体制を整えておきたかったのです」。

もちろん飯田さんは、AGMO製品以外の自動操舵システムの操作経験も豊富である。特に農機メーカーの純正システムには、頻繁に触れる機会があった。だからこそAGMO製品のメリットを明確に感じたようだ。

「目標ラインを設定したら、旋回したときに位置がずれていても、正しい位置に勝手に補正してくれる。そこが、うちにはピッタリでした」。

目標ラインからズレても、旋回後に自動で位置を修正。圃場の形状や作業条件にあわせて、正確な走行をサポートしてくれる。

こうして今では、飯田さんは麦の播種だけでなく、肥料散布にも「AGMO SOLUTION KIT」を使用している。すべてを自動操舵に任せるわけではないが、長く広い圃場ではハンドルを任せている。

「ハンドルから手を離せるので、周囲や肥料の残量を確認する余裕ができます。おにぎりを食べながら作業する日もありました。旋回方法も効率的になりました。何度も切り返して隣の列に移動するのではなく、あえて一列飛ばしに作業し、空けた列は戻ってくる際に作業しています。時間の短縮にもなりますし、枕地も傷めにくい。大きなメリットですね。これは人の感覚に頼っていては絶対できません」。

農業生産者への指導経験も持つ元普及指導員の視点から、飯田さんが特に評価するのは、扱いやすさだ。

「一般的な自動操舵では、小さい画面を見ながらダイヤルを回して項目を選んで、ボタンを押して決定。次の階層でまたダイヤルを回して…となると、やっぱり面倒です。特に高齢の方には、大きな画面で操作できる『AGMO SOLUTION KIT』は扱いやすいと思います」。

「今は麦の播種や施肥から使い始めていますが、『AGMO SOLUTION KIT』を導入したのは、将来、妻や雇用した人にも安心して作業を任せられる体制を整えておきたい、という思いもあります。自分がすべての作業を担うのではなく、それぞれが役割を分担できるようにしていきたい。圃場内の走行を自動操舵に任せられれば、経験の浅い人でも作業に取り組みやすくなります。これから先も農業を続けていくために、環境を整えておきたいと考えています」。

 

モニター導入農家様を大募集!
鋼鈑商事セレクト注目の新製品

鋼鈑商事は、東洋製罐グループの東洋鋼鈑を母体とする商社。鋼板や建材などを扱ってきた一方、農業分野にも事業を広げ、AGMOの日本での販売・導入支援を担っている。同社は現在、下記のスマート農業製品のモニターを募集中だ。

自動追従運搬車 botbox+


リモコンを持つ人を自動追従し最大300kgの荷物を運搬できる。手動操作にも切り替え可能であり、リフト機能があるからトラックへの荷物の積み替えも容易。ダンプ機能も備えており、収穫物の負担を軽減できる。

自動草刈り機 DAROBOT SN-800H


RTK・画像認識・LiDARで障害物を検知・回避しながら自動走行する。ハンマーナイフ方式だから雑木やつる植物にも対応し、最大40度の傾斜地でも作業できる。もちろんリモコンによる手動操作も可能である。

 

問い合わせ

鋼鈑商事株式会社
TEL:03-4531-6880

農業WEEKに出展!
ブース番号:32-53A,32-53D,32-53C

使いやすさに特化した「AGMO社 自動操縦システム」。10/7~9に幕張メッセで開催される農業WEEK(J-AGRI)にて出展する。
》農業WEEK出展の詳細はこちら


取材・文/川島礼二郎

AGRI JOURNAL vol.41より転載

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