地域と畑は自分で守る! 花農家が選択した”農家ハンター”の活動に迫る

持続可能な活動のため
ジビエ事業をスタート

農家ハンターの活動をより持続可能なものにしていくため、昨年、新たな動きがあった。「株式会社イノP」を立ち上げて、ジビエの生産及び加工販売を新たに手がけることにしたのだ。
 
最大の特徴は、捕獲から販売までのすべてを手がける一気通貫モデルだという点だ。2019年7月には、全国でも珍しい民設民営のジビエ加工施設「農家ハンター☆ジビエファーム」が完成。農家ハンターが仕留めたイノシシは、ここで素早く解体され、県内の加工場に輸送して熟成ジビエハム、ソーセージなどに加工。主にネット販売を通じて、全国の消費者のもとへと渡っていく。


「ジビエファーム」施設長の井上拓哉さん。「無駄のない循環を目指したい」と話す。井上さんは千葉からの移住者でもある。


珍しいイノシシ肉のスモークハム「プレミアムジビエハム」は絶品。

「一般的にジビエ肉は、猟師さん、施設、販売全部バラバラなので、販売者はどういう肉を販売しているかわからない。僕らは、顔と物語が見えるトレーサブルなジビエ肉として、消費者へ直接提供をしていきたいんです」と、「株式会社イノP」の代表も務める宮川さん。


徹底した衛生管理を行う「ジビエファーム」。

くさみがなく、脂身の美味しさが際立つイノシシ肉は、徹底した品質管理の賜物だ。特筆すべきは、処理法の統一。箱罠にかかったすべてのイノシシは、電気ショックで止め刺しをすると同時に血抜きが行われる。そうすることで肉に臭みがなく、品質が安定するという。

最上級のジビエ肉のみを提供するというこだわりのため、食用として利用されるのは20%。その他の部位は、無添加のジビエペットフードとして加工販売をするほか、全国でも珍しいイノシシ対応の減容化機を揃え、余すことなく堆肥化。それを、農家ハンターのメンバーたちの畑で使用し、地域で循環させていく予定だ。


農作物の残渣などもイノシシと一緒に減容化機へ。栄養豊富な有機肥料ができあがる。


捕獲したイノシシを乾燥させて堆肥化する減容化機。丸のままのイノシシを5時間で堆肥化するという画期的な製品だ。

捕獲したイノシシををフル活用する世界初のモデルを実現させたい。地域の担い手づくりと、中山間地域の農村を守るのが僕たちの至上命題。持続可能な循環型ビジネスで、農家の所得向上にも繋げられれば、と考えています」。



「株式会社イノP」が目指す
サステナブルなイノシシ活用モデル


 

PROFILE

宮川将人さん


有限会社宮川洋蘭代表取締役。株式会社イノP代表取締役。「地方こそネット活用が大切!」との思いから自らサイバー農家と名乗り、2007年妻とwebショップ「森水木のラン屋さん」をオープン。2016年より若手農家仲間120人でイノシシ被害対策チーム「くまもと☆農家ハンター」を立上げ、地域課題解決型ビジネスに挑戦中。
 

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