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生産者の取組み

地域と畑は自分で守る! 花農家が選択した”農家ハンター”の活動に迫る

イノシシ被害に立ち向かう、20代~40代の若手農家約120人による有志団体「くまもと☆農家ハンター」。ICT技術を取り入れ、農業とイノシシ対策活動を両立させるという斬新な活動が注目を集めている。

サイバー×ファーマー×ハンター

「猟師は半減する一方、イノシシの生息数は倍増している。誰かが立ち上がらないと、地域の農家は立ち行かなくなると思ったんです」。 
そう話すのは、若手農家たちによる有志団体「くまもと☆農家ハンター」の発起人、「宮川洋蘭」の宮川将人さん。地域を災害から守る消防団のように、自分たちの手で鳥獣被害から地域を守れないか。そう考えた宮川さんは、農家仲間に声をかけ、25人の有志が結集。今から約4年前、畑を守るために自らの手で獣害対策を行う「農家ハンター」が誕生した。 
 
勉強会などを行いながら、各メンバーは狩猟免許を取得。そして、クラウドファンディングで資金を集め、箱罠20機を購入。満を持して罠をしかけたものの、一向に獲物がかからない。実に7ヶ月もの間、捕獲数はゼロ。しかし、専門家を呼んで罠を仕掛け直すとわずか3日でイノシシが捕れたのだという。
 
「教えてもらったのは、罠の位置や向きなど基本的なこと。捕ることばかり考えていましたが、環境整備こそ重要なのだ、とも。農作物の残渣処理や草刈り、防護柵などで環境をしっかり整備することで、イノシシがお腹がすいて仕方ない、という状況を作らないといけない。それが最初はわからなかった」。


仲間と協力して防護柵を作る。環境を整備することも重要な鳥獣害対策の1つ。

 

ICTの活用が不可欠

農業とハンター活動の両立を無理なく実現するためにはICTの活用が不可欠、と宮川さんは当初から考えていた。そこでメーカーの協力を得ながら、様々な手法を実践していった。 
 
箱罠にイノシシがかかっているかどうか、すべての罠を見回るのは非効率的だ。そこで有用になるのが、監視カメラや通知機能を持つセンサーである。 
 
例えば、イノシシが接近するとセンサーカメラが作動し撮影、静止画をクラウドで管理する「ファームキャプチャー」。イノシシを捕獲したときはもちろん、エサを食べに接近したときにも自動撮影した写真がクラウド上にアップされるため、イノシシの行動分析にも役立つという。 


箱罠の周りに置いた米ぬかには、イノシシの足跡がくっきり。



わなの作動状況をリアルタイムで監視する通信網「オリワナシステム」は、20基を導入。さらにすべての箱罠に行き渡るよう、低コストかつシンプルなオリジナル通知機を九州農政局と共同開発。わなの作動状況を、高齢猟師の普及率が高いガラケーにもメールで通知できるようにしたことで、実用性を高めたという。 
 
「くまもと☆農家ハンター」のメンバーは、現在120人。地域の先輩猟師と共に年間1000頭ものイノシシを捕獲するようになった。


メンバーが集まって勉強会や講習会も行う。地域の農家同士が繋がるコミュニティーとしての意義も大きい。

 
「10頭20頭じゃ変わらないけれど、1000頭ともなると地域に出没したり、畑を荒すイノシシが少なくなってきました。一人の力ではできない、コミュニティーがあってこそです。山間地域の農業を守ることは、食の多様性を守ることにも繋がります。ぜひ僕たちの事例を真似して、全国各地に農家ハンターが増えていって欲しいですね」。


深刻化するイノシシ被害をそのままにすると悪循環が続く。人任せにせず、地域住民や農家など自らが鳥獣対策に乗り出すことが重要だ。

 

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