注目キーワード

最新技術

値段が10倍!? 人気ブランドトマトに求められるもの

「アメーラ」は、約8度以上もの糖度を誇る、有名な高糖度トマトブランドのひとつ。このアメーラを栽培するハウスで使われている、農業クラウドサービスを紹介しよう。

「最高品質の高糖度トマトで、
美味しさの感動をお届けします」

潅水を極限まで控えて、普通のトマトの約1/3の大きさで成熟させることで高糖度となるアメーラ。その市場価格は一般的なトマトの10倍になることもあるという。一方で、その栽培には極めて細やかな環境管理が求められる。

今回訪れた柳沢農園はアメーラを生産する農業法人。そこではハウス環境を『見える化』する農業クラウドを導入することで成果をあげているという。

「アメーラ栽培を始めた当初は、冬場の実が小さいことが悩みでした。そこでアグリネットを導入したら、CO2が欠乏気味であると判明したんです」と、フィールドマネージャーの有井さんは話す。以来、ハウス環境を見ながらCO2施用を行うことで、今では実を大きく育てることに成功している。

「アグリネット導入前はしおれたときなどに原因が判然としなかったのですが、残されたデータを確認することで原因を突き止めることができて助かっています。水が原因かな、と思ったらCO2だった、ということもありました。また当社はJGAP(※)を取得しているので、アグリネットの栽培日誌機能も便利なんです」(有井さん)。

柳沢農園では、加工品販売の直販も行っている。オシャレなデザインは、プレゼントにも人気。

ハウス内環境の見える化とCO2施用は、高付加価値化・高難易度の作物を栽培する際に、大いに役立つ組み合わせと言えるだろう。

※JGAP:ヨーロッパ発祥の認証制度「グローバルGAP」の日本版で、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証のこと。2020年の東京オリンピックで選手村などに農産物を提供するには、グローバルGAPやJGAPという国際認証を得ていることが必要になる。


環境管理に活用している組み合わせ

アグリネット

ハウス内の温度・湿度・照度・CO2 濃度などの環境をモニタリングし、離れた場所でも端末上で確認できるクラウドサービス。(モニタリング料金:2,980円~/月

環境制御盤

ハウス内環境を変えたいときは制御盤を操作する。暖房機・CO2発生機・換気装置などを一つの制御盤で操作できるから便利なのだ。

 

CO2発生機&温風暖房機

アグリネット販売元のネポンは熱のスペシャリスト。ハウスカオンキを始めとする温風暖房機のほか、燃焼式CO2発生機も豊富にラインナップしている。


取材協力:柳沢農園

日本有数の避暑地・軽井沢に大規模ハウスを展開する柳沢農園は、静岡発祥のアメーラを通年安定供給すべく、2005年よりアメーラを栽培している。さらには、主に観光客を対象にした「よこみち農園」を始めるなど、新しいことに意欲的だ。

柳沢農園では、高糖度トマトを使ったオリジナル商品も展開。さらにカラマツを支柱にしたお洒落なハウス「よこみち農園」では、訪問者が30種類から好みで採取した野菜を、キッチンカーで調理し提供する「食べて楽しむ」ことができる体験農園だ。ご予約は、080-5827-5065まで。

柳沢農園ホームページ


▼農業クラウドに関するお問い合わせ
ネポン株式会社

〒243-0215 神奈川県厚木市上古沢411
TEL:046-247-3269


photo: Daisuke Tsuzuki
text: Reggy Kawashima

※『AGRI JOURNAL vol.4』より転載

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 農業×再エネでカーボンニュートラルへ。営農型太陽光発電の導入促進事業の第1次募集を開始...
  2. 水田除草もスマート化! これから活躍が期待できる除草ロボット3選
  3. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  4. 【イチゴ編】症状別で見る! 生理障害・病害虫の原因と予防の基礎知識
  5. 農業に役立つアイテムを抽選でプレゼント! 応募受付は2025/6/22まで!
  6. 雑草のプロフェッショナルに聞く! 草をマルチにするメリットと留意点
  7. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  8. 【検証レポート】本当に石の飛散が少ないのか? 噂のバッテリー式「T字型バリカン」草刈機を体験!...
  9. 日本初、バイオスティミュラント適正利用への自主規格を公表。正しい効果の測定方法の確立に期待...
  10. ゲノム編集と遺伝子組み換えの違いは? メリットを専門家が解説

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.35|¥0
2025/04/18発行

お詫びと訂正