ハエから生まれた新肥料が農業界に激震を起こす!
2017/12/20
ハエといえば害虫の代名詞的な存在。そんなイエバエが、家畜糞尿を植物肥料や漁業養殖用飼料に変換してくれる「イエバエ高速培養技術」が実用間近だ。世界の食糧危機を解消する方法になり得るか、と注目を集めている。
改良を重ねた“イエバエ界の
サラブレッド”が大活躍!
イエバエを活用した「畜産糞尿を肥料や飼料に100%リサイクルする循環システム」が近く実用化される。このシステムでは、45年間研究を重ね、1,100世代にも渡って品種改良されたイエバエを使用している。
従来、家畜糞尿を堆肥化するには数ヶ月かかっていたものが、イエバエの幼虫による摂取、消化、分解を繰り返すことにより、わずか1週間で良質な有機肥料に処理される。また、畜産・養殖用の魚粉飼料の代替物として、イエバエの幼虫やサナギを活用することで、今後世界的な不足が予測される漁業資源の枯渇を防ぐことが期待されている。
このMUSCAの肥料を使うと、生産物の糖度の上昇、収穫量の増加、成長促進、抗菌作用、根の張りの向上など、様々な効果が実証されている。また飼料としても優秀で、従来の魚粉にイエバエ飼料を混ぜてマダイに与えると、体格やサイズ、免疫力などの向上が見られた。
販売開始は2018年3月予定。人間に嫌われものの存在だったハエだが、世界の食糧危機を救う存在になるかもしれない。
DATA
TEL:092-441-7716