<体験レポート>圃場を空から確認! 収穫適期がわかるICTツール
2018/10/26
アグリジャーナル×営農支援サービス「天晴れ」の体験プロジェクト。小麦&水稲農家の堀口さんが解決したい点は、「広域に拡がる圃場ごとの適期の刈取り」と、「収穫後に乾燥施設を順番待ちする時間の軽減」の2つ。初めて空からの視点で圃場ごとの様子を見て、実感したことは?
前回記事:小麦の穂水分率を衛星画像で可視化!
Report01 小麦&水稲
体験プロジェクトメンバー
岐阜県本巣市
アグリフレンドホリグチ 堀口一平さん
30haの圃場で水稲と小麦を生産。父親から農業を受け継ぎ、担い手の少ない地域の農業を支えるべく奮闘中。
「天晴れ」とは?
「天晴れ」とは、人工衛星やドローンで撮影した画像を解析し、農作物の生育状況を示したレポートを発行するサービス。収穫時期や生育ムラをひと目で把握することが可能だ。
<レポートサンプル:穂水分率マップ(小麦)>
「衛星画像で解析された自分の田んぼを見てみたい!」という想いからこの「天晴れ」の体験プロジェクトに応募した堀口さんは、地域へ販売する米の生産、農協へ販売する加工米・飼料米・小麦の生産の両輪で営農している。
経験や記憶が裏付けされて
計画が立てやすくなった!
「天晴れ」に期待できること
次年度以降の土づくりの参考になる!
「圃場によって、肥料を同じように施しても出来の良し悪しが出ますが、天晴れで水稲のタンパク含有率のレポートを見た時に、意外な結果が出ているところもありました。長年の経験から圃場ごとの傾向は把握しているつもりでしたが、診断レポートがあったことで、類推・仮説・検証ができ、翌年の土づくりの参考に使えるなと思いました」。
タンパク質が高く出ている場所は、肥料がたまりやすいのか?というような、検証のきっかけに。
「天晴れ」を導入したメリット
収穫適期の判断の裏付けになりました!
6月上旬、小麦の収穫期に入る約2週間前に人工衛星画像から解析した天晴れの診断レポートで、小麦の穂水分率の高い圃場、低い圃場が色分けされて一目でわかった。
スタッフ間で圃場の状況を把握し合うにも、可視化された天晴れの診断レポートが役立つ。
「これまで経験に頼っていた収穫の順番決めですが、穂水分率の診断レポートが色分けで見られたことにより、適期収穫する明確な判断材料になりました」。
衛星画像から、圃場ごとに穂水分率・タンパク含有率でマップが色分けされ、視覚的に理解できる。
小麦の収穫前には「天晴れ」の診断レポートを見て、穂水分率が低い圃場から収穫ができた。
地域全体で使うことで
さらなる効果が期待できる!
「今回は自分の圃場だけで天晴れを体験しましたが、地域全体の圃場の傾向が一元化できればもっと乾燥施設を効率的に使えるような刈り取り計画が立てられますし、肥培管理もしやすくなります。空からのレポートは地域の農家全体で使えると感じたので、県やJAと一緒に活用を検討したいです!」
国際航業株式会社 営農支援サービスチーム
TEL:03-4476-8069(平日9:30~17:00)
●11/20(火)~22(木)アグロイノベーションにも出展!
photo: Takashi Fujishiro, Masaru Nakanishi
text: Mikako Wakiya
AGRI JOURNAL vol.09(2018年秋号)より転載