イチゴの「生産~出荷」を省力化! 的確な収量予想を可能にした先端テクノロジー
2025/08/19

スマホなどの画像認識性能やAIの進化によって収穫予測や栽培におけるアドバイスが手軽に得られるようになっている。専門家に依頼しなくても得られる有益な知見を活かして省力化を図ろう。
AIを活用した新サービスがスタート!
イチゴの収量予測、栽培アドバイスを提供
株式会社誠和は、イチゴの収量予測、栽培アドバイスを提供する「プロフィットナビ(イチゴ版)」を8月に販売開始する。このサービスは同社から既に提供されている「プロフィットナビ(トマト版)」を、イチゴ向けに作り直したものだ。
サービスを利用するためにはハウス内環境測定装置「プロファインダー」が必要となるが、生産者自身の過去の生育データと、「プロファインダー」で測定した温度、湿度、CO₂、日射量をもとに現時点での生育シミュレーションと収量予測が表示される。さらに、暖房やCO₂濃度などの設定を変更した際の最大収量も確認でき、今後の生産管理の判断に役立てることができる。
また、環境データ・生育データのグラフを見慣れていない新規就農者などに特に注目なのがアドバイス機能。例えば「日射量に対して温度が低めだったので、昼の換気設定や夜の暖房設定を見直しましょう」「十分な濃度で施用できていたようです。このままこのCO₂濃度を維持していきましょう」など、わかりやすく「言葉」で説明してくれる。
このサービスの提供にあたり収集したのは「とちあいか」のモデル生産者のデータであり、8月の全国版リリースと併せて栃木県限定の生育シミュレーションも展開される予定だ。
DATA
プロフィットナビ(イチゴ版)
価格:月額5,500円(税込)※予定
問い合わせ
株式会社誠和 総務課
TEL:0285-44-1114
スマホで撮影→動画アップロードで完了
効率的な生育・収量予測を実現
イチゴ栽培は収穫時期や量を正確に予測することが求められる一方で、従来は経験や勘に頼ることが多く、時間と労力がかかるという課題がある。その課題を解消し、より効率的にかつ科学的な栽培管理を可能にするために設計されたのが、ナイルワークスの「イチゴ収量予測ツール」だ。観光農園アグリモンスタースペシャルと、農業総合商社株式会社山正の栽培エキスパートも開発に協力しており、スマートフォンで撮影した動画をアップロードするだけで、生育予測情報を得られる新ツールである。
生産者がクラウドにアップロードした動画から、ナイルワークスのフェノタイピング(作物の外観や形状、成長パターンなどを観察・測定)技術を活用し、イチゴの熟度を瞬時に分析。緑熟期、白熟期、赤熟期などの熟度ごとに果実数をカウントする。その熟度ごとの果実数データと、今後の気象データを組み合わせて、収穫可能な時期や収量を予測するという仕組みだ。これによって、計画的な収穫や市場出荷が可能となる。
このサービスの最大の特長は、現場で動画を撮影してクラウドにアップロードするだけという手軽さと、特別な機器や専門知識が不要で、導入・運用費用ともに低コストであること。手軽に始められるため、規模や経験を問わず導入可能であり、観光農園における予約管理などでの活用が期待される。
DATA
イチゴ収量予測ツール
価格: 月額10,000円~(税込) ※無料お試し期間あり
問い合わせ
株式会社ナイルワークス ファームソリューション部
TEL:03-5577-3071
メールアドレス:dab@nileworks.co.jp
AGRI JOURNAL vol.35(2025年春号)より転載