「宇宙農民」に学ぶ! 理想的な農業と生き方
2018/03/08
「百笑は地球を救う!」を合言葉に、自給自足を入り口に農業従事者となった「宇宙農民」チーム。山梨県北杜市にて、稲作、畑作につづき、クラフトビール造りに挑む彼らの、農業を笑って楽しむ方法とは?
はじまりは、自分たちの
生き方の追求だった
今まさに山梨県北杜市に、新しいブルワリー(ビールの醸造所)が誕生しようとしている。手掛けているのは地球を救うために銀河系の端っこからやってきた「宇宙農民」として、自然栽培で農業を営む宇宙カンパニー合同会社。代表の楠瀬正紘さん、クリエイティブディレクターの鈴木ルミコさんをはじめ、メンバーは全員移住組だ。
「環境活動や平和活動を通して知り合ったメンバーと、これからの生き方を模索していく中で、その実践と発信の足がかりとしてこの土地に移住し、自給農をはじめました」。
活動のはじまりをそのように語る楠瀬さんたちが選択したのは、「この地球と一緒に生きていく」生き方。環境に負荷をかけない無農薬、自然循環型の農業をスタートさせた。当初は自給のためだったが購入希望者が増え、現在では収穫した米、野菜を商品化。「宇宙米」「宇宙ベジタブル」といったユニークな名前で、ウェブ、イベントでの販売を行っている。
農業はトライ&エラー!それこそが楽しみ。(楠瀬正紘さん)
このブルワリー「うちゅうブルーイング」を手がけることになったきっかけは、米・ポートランドでのクラフトビールとの出会いだと楠瀬さん。
「今まで嗅いだことのないホップの香りに、この植物を育てたい!と直感的に思いました」。無農薬栽培は難しいとされているホップ。だが宇宙農民では他の農作物と同様に無農薬、無科学肥料での栽培に踏み切った。栽培初年度、翌年ともに、目立った病気、害虫被害もなく、無事にホップを収穫。自ら育てたホップの香りに刺激され、当初の構想よりも前倒しで醸造所の建設に取り掛かり、今現在整備中というわけだ。醸造所の外では排水を浄化・堆肥化するための、バイオジオフィルターの整備も並行して進んでいる。
持続可能な
循環の仕組みをつくりたい
「うちゅうブルーイングは自然の摂理に合わせて循環する、持続可能な”サステナブルワリー”を目指しています。無農薬、自然循環型のホップ栽培と、クラフトビールの醸造。いずれはバーやゲストハウスもつくり、この土地で環境と経営、そして製品とのバランスがとれた、小さな循環の仕組みをつくりたいと考えています」。
地球も人もハッピーに循環するビール。宇宙農民の農業は人が集まる場や、自分や周囲の人の生き方までも耕している。
みんなの笑顔を見るのが楽しい!(鈴木ルミコさん)